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【G20】データ流通に国際ルール 意見対立に日本のリーダーシップ必要

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20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)が開催されるインテックス大阪周辺で警戒する警察官=27日午前7時38分、大阪市住之江区(佐藤徳昭撮影)
20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)が開催されるインテックス大阪周辺で警戒する警察官=27日午前7時38分、大阪市住之江区(佐藤徳昭撮影)

 20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)では、急拡大を続ける「デジタル経済」への対処を話し合い、データ流通の国際ルール策定に向けた交渉枠組み「大阪トラック」創設などで合意する。だが、データ流通のあり方をめぐっては、各国の意見や利害が対立。議論に先鞭(せんべん)をつけた議長国・日本はサミット後も意見調整と制度設計に指導力を発揮する必要がある。

 大阪トラックは1月、安倍晋三首相が世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で提案した。個人情報などのデータ保護に関するルールを整備し、国境を越えた自由なデータ流通を認める体制作りを話し合う場とする。

 ただ、データ流通に関する各国の意見は異なる。米国は企業活動を優先し、データ流通は自由との立場。一方、欧州連合(EU)は個人情報保護を重視し、データ管理が十分でない国への個人情報の移転を基本的に認めていない。中国はデータの海外移転を厳しく規制し、囲い込んでいる。

 この違いを埋めるのは一筋縄でいかないとみられ、日本は大阪トラックで、議論を決着に導く強い意思が必要となる。

 またサミットではG20財務相・中央銀行総裁会議に続き、デジタル課税の新ルールについて、来年最終合意する方針を承認する。

 念頭にあるのは「GAFA(ガーファ)」と呼ばれる米巨大IT企業4社による課税逃れだ。4社の年間売上高は計約6900億ドル(約74兆5000億円)と、2017年のサウジアラビアの名目国内総生産(GDP)約6800億ドルを上回る規模だが、低税率国に利益を集めるなどして少額しか納税していない。

 現状では原則として、企業がある国でサービスなどを提供して対価を得ていても、物理的な施設がなければ、その国は課税できない。新ルールはこれを見直し、国境を越えた動画配信などで稼ぐ企業にも課税できるようにする。だが、見直しの方向性は米国、英国、新興国で意見が割れ、すり合わせは容易でない。

 日本はこれまで経済協力開発機構(OECD)などの場でも議論を主導してきた。今後の制度設計も知見を生かした日本の役割が重要となる。(山口暢彦)

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