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IR誘致目指す自治体困惑「基本方針」の公表時期定まらず

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 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を目指す自治体が困惑を深めている。誘致活動の前提となる国の基本方針の公表時期が定まらず、開業に向けた具体的な計画が立てられないためだ。

 昨年7月に成立したIR実施法では、今後、国の基本方針を受けて自治体がIR事業者を公募・選定し、国が全国で最大3カ所のIR整備区域を認定することになっている。

 有力候補とされる大阪府・市は、令和7(2025)年の大阪・関西万博の前年に、大阪湾の人工島・夢洲でのIR開業を想定している。世界から集客が見込まれる万博と同時期の開業が「地元経済に最も相乗効果を発揮できる」(吉村洋文大阪府知事)ためだ。

 誘致を表明している和歌山、長崎両県も人口減対策の起爆剤として早期開業を目指している。

 こうした自治体の期待とは裏腹に、国の対応は煮え切らない。基本方針を作る前提となる「カジノ管理委員会」を設置するには、国会で5人の委員の同意が必要だ。しかし、6月26日に会期末を迎える今国会で成立するとみられていた政府の人事案は、現時点で提出されていない。

 カジノ管理委は事業免許に関する厳格審査などの役割を担うが、政府は夏の参院選を前に、与野党攻防のターゲットになることを懸念している。基本方針が定まらなければ、IR事業者の公募・選定や地元議会への説明など誘致に不可欠な準備が進められない。

 今年3月に閣議決定されたIR実施法施行令では、ホテルや国際会議場・展示場(MICE)について、国内有数の施設をしのぐ床面積や収容人数を求めている。大規模施設の建設までこぎつけても、IR開業時期のタイミングを逃せば採算割れのリスクは高まる。しかし、政府は「開業時期の確たる見通しを持っているわけではない」(内閣官房)との立場だ。

 政府・与党内には、ギャンブル依存症への懸念がつきまとうIRが攻撃材料になるのを避けるため「準備が本格化するのは参院選後」(政府関係者)との声も出始めている。

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