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【新元号】日本人のアイデンティティー見つめ直す機会に

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新元号発表の会見を伝える家電量販店のテレビ=1日、東京都港区の「ヤマダ電機LABI新橋」(佐藤徳昭撮影)
新元号発表の会見を伝える家電量販店のテレビ=1日、東京都港区の「ヤマダ電機LABI新橋」(佐藤徳昭撮影)
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 30年余り続いた平成に代わる新元号が1日午前、公表された。生活習慣が欧米化して久しく、国内外で広く普及している西暦が暮らしに浸透している現在、日本人が世界で唯一、元号を使い続ける意義とは何なのだろうか。

 元号は古代中国が起源とされ、「皇帝は時間をも支配する」という考えに根ざしている。「大化の改新」で知られる大化から元号を導入した日本でも天皇の権威を高めるために用いられた。中世の武家社会では室町幕府の将軍・足利義満をはじめ、その時々の権力者が改元に関与し、権力の源泉とした時期もあった。

 だが、元号制定は単に権威に絡んだものだけではなく、平和や人々の幸福を願うという意味合いもある。このため、改元を皇位継承時に限る「一世一元」制が採用される明治以前は天災や疫病、戦乱のたびに改元が行われた。「平成」も「国の内外にも天地にも平和が達成される」という意味が込められたものだった。

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が3月に行った合同世論調査では「新しい時代が平成よりも良い時代になる」と期待している人は6割以上に上った。新元号に希望を託すのはいつの時代も変わりはないはずだ。大化から248を数える元号の数は新たな時代がより良いものになるように、との日本人の願いの数といえる。

 これまで「文永・弘安の役」「建武の新政」「明治維新」などの歴史の転換点や重大な出来事を元号に絡めた名称で表現している。元号は日本人の足跡そのものでもある。普段、何げなく使ってきた元号の意義を考えることは、日本人のアイデンティティーを見つめ直すことにもつながるはずだ。(永原慎吾)

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