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3日間の代表質問終了 毎月勤労統計一色 首相、防戦一方

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参院本会議に臨む根本匠厚労相=1日午前
参院本会議に臨む根本匠厚労相=1日午前

 安倍晋三首相は1日の参院本会議で、「毎月勤労統計」の不適切調査で経済政策「アベノミクス」の成果が揺らいでいるとの指摘に対し「総合的に勘案すると雇用・所得環境が着実に改善しているとの判断に変更はない」と重ねて強調した。「再集計値でも(賃金の)増加傾向が続いていることには変わりない」とも述べた。

 根本匠厚生労働相は昨年12月20日に報告を受けながら首相側への報告が同月28日に遅れたことについて「雇用保険などに影響する可能性が明らかになり報告した。隠しきれなくなって報告したとの指摘は全く当たらない」と説明した。

 国会は1日、3日間にわたる衆参両院本会議での代表質問を終了した。厚生労働省による「毎月勤労統計」の不適切調査問題一色の様相となり、主要野党は再集計で安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」の成果の根拠が揺らいだと主張。首相は雇用や所得環境が「着実に改善している」と反論したが、新たな問題も発覚し、政府側は防戦一方となった。

 「毎日、信頼を損なう事実が次々と明らかになっている。昨年の実質賃金がマイナスとなる可能性すら出てきており、まさに『アベノミクス偽装』だ」

 立憲民主党の福山哲郎幹事長は1日の参院本会議の代表質問で厳しい口調でこう首相に迫った。3日間の代表質問で野党側は毎月勤労統計の再集計で昨年の名目賃金上昇率が下方修正されたと訴え、アベノミクスの成果の根拠が薄らいだと攻めた。首相は「信頼を損なう事態を招いた」と陳謝する一方、アベノミクスの成果には影響がないと繰り返し強調した。

 野党側は根本匠厚労相の対応も問題視した。立憲民主党の枝野幸男代表は1月30日の衆院本会議で「事態の深刻さを理解しない根本氏は罷免すべきだ」と求めた。首相は「引き続き全力で取り組んでほしい」と拒否し、根本氏に全容解明に当たらせる考えを示した。

 一連の問題は、早期の幕引きを図ろうとした政府の対応が裏目に出る結果となっている。1月22日に特別監察委員会の報告書が公表されたが、その後に職員の聴取を身内の職員が行ったり、調査対象の事業所に虚偽の説明をしたりしたことが次々と判明。野党に攻撃材料を断続的に提供する形となった。

 夏の参院選を見据え、野党側は安倍政権の責任追及の手を緩める気配はない。衆院予算委員会は1日、平成30年度第2次補正予算案と31年度予算案の趣旨説明を行った。首相らが出席して4、5両日に基本的質疑、5日に締めくくり総括質疑を行う。これとは別に、与野党は毎月勤労統計の不適切調査をめぐり衆院予算委で首相出席の集中審議を実施することでも合意しており、論戦は続く。

 与党は5日中に衆院で補正予算案を通過させたい考えだが、参院選を控え大幅な会期延長が難しいことから、提出法案の数を絞り込んで「安全運転」を目指した政府・与党の国会運営に狂いが生じ始めている。(大島悠亮)

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