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IR誘致「3つのイス」奪うのはどこだ 大阪、和歌山、長崎、北海道、愛知…バトル過熱

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IR誘致めぐる主な自治体
IR誘致めぐる主な自治体

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法が成立したことで、自治体による誘致合戦がいよいよ本格化する。外国人観光客を取り込み地域経済を活性化するIRへの期待は強く、すでに複数の自治体が名乗りをあげている。当面設置が認められるのは最大3カ所だけに、自治体同士の「イス取りゲーム」は過熱しそうだ。

 ■3地域が誘致リード

 現段階で誘致活動をリードしているのは、大阪府・市と和歌山県、長崎県だ。

 大阪府・市は、2025年国際博覧会(万博)の開催を目指す大阪湾の人工島・夢洲(大阪市此花区)で、万博の前年までのIR開業を目標としている。万博とIRの「二枚看板」を関西経済の起爆剤にしようというわけだ。大阪府の松井一郎知事(日本維新の会代表)は20日、「早期の区域認定に向け、国に取り組みを要請していきたい」と意気込んだ。

 和歌山県も誘致に力を入れる。同県の担当者は「ただちに着工できる環境が整っている」と自信を示す。

 県は、年間約3千億円の経済波及効果、約2万人の雇用創出が見込めると試算する。5月に基本構想を策定し、ゲームの利用金額を制限できる「IRカード」の導入など独自のギャンブル依存症対策も検討する。

 長崎県も4月、有識者会議が基本構想をまとめた。同県佐世保市とともにテーマパーク「ハウステンボス」を核としたIR誘致を目指し、海中カジノ構想も浮上している。

 北海道では苫小牧市、釧路市、留寿都村の3自治体が手をあげている。道は3月、IRに関する調査報告書をまとめ、千歳空港に近い苫小牧市が最も集客が見込め、売上高は年間で最大約1500億円に上ると試算した。今後、道内での候補地一本化を図る。

 愛知県は中部国際空港島(常滑市)での誘致を構想している。名古屋市の河村たかし市長も今月17日の記者会見で「手を挙げるのは良いことだ」と誘致に前向きな考えを示した。

 千葉市も平成27年、IR誘致で年間約3100億円の経済波及効果や約2万6千人の雇用が期待されるとの試算をまとめた。

 ■東京・横浜、どう動く?

 各自治体にとって気がかりなのが東京都と横浜市の動きだ。双方とも「白紙」とするが、調査研究などは進めており、誘致を表明すれば有力候補となる。

 「(湾岸地域の)街づくりで必要な魅力となり得るか。メリットとデメリットを検討していく」

 東京都の小池百合子知事は20日の記者会見で、こう述べるにとどめた。

 都は港区台場など湾岸地域に広大な土地を保有しており、2020年東京五輪・パラリンピックの競技場などに使った後はIR用地への転用も可能だ。都関係者は「最終的には知事の政治判断だ」と打ち明ける。

 横浜市の林文子市長は当初前向きだったが昨年の市長選を機に慎重な姿勢に転じたとされる。ただ、地元経済界の一部はIRに熱い視線を送り、再開発が予定される山下ふ頭などが候補地として取り沙汰される。(長嶋雅子、田村龍彦)

 ■IR開業までの流れ 国土交通相は整備区域の選定基準などに関する「基本方針」を策定、公表する。誘致する都道府県や政令指定都市は、公募で選んだカジノ事業者と共同で、IRの規模や事業内容、経済効果を「区域整備計画」としてまとめ、国に申請する。国交相は整備計画を審査し、全国で最大3カ所を認定する。第1弾が開業するのは2020年代半ばになると見込まれる。最初の認定から7年後に国が箇所数を見直し、増設することもできる。

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