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陸上イージス高性能レーダー、月内選定へ 防衛省内、米2社製で激しい綱引き

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 防衛省が2023年に運用開始を目指す地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」に搭載する高性能レーダーを月内にも正式決定することが15日、分かった。米ロッキード・マーチン社製「SSR」が選定される見込みだが、米レイセオン社製「SPY(スパイ)6」を推す声も省内には根強い。水面下の激しい綱引きは決定直前まで続く見通しだ。

 防衛省は北朝鮮の弾道ミサイルの脅威などに備えるため、イージス・アショアを秋田と山口に1基ずつ配備する方針で、今春から選定作業を本格化させた。

 SSRとSPY6はともにミサイル探知距離1千キロを上回り、海上自衛隊のイージス艦などが搭載する現行レーダー「SPY1」の2倍の能力を持つ。価格はいずれも1基約1千億円とされ、政府関係者は「能力や価格には決定的な差は見当たらない」と話す。

 米海軍は次世代イージス艦のレーダーにSPY6を選定し、小野寺五典防衛相が1月に米ハワイのSPY6の試験施設を視察したことから、当初はSPY6の採用が有力視されていた。

 ただ、防衛省内の選定作業はSSRに傾いている。要因の一つは運用開始時期の違いだ。SPY6を搭載する米イージス艦の就航は早くても23年以降。日本向けの対応はその後となり、目標とする23年の導入に間に合わないとの指摘がある。

 SSRは米本土防衛のため20年にアラスカで運用を始める長距離識別レーダーを基に開発する。付随するデッキハウス(建物)なども採用実績があり、ロッキード側は「早期の運用開始が可能」と売り込む。SSRには富士通、SPY6には三菱電機などが協力するが、生産過程で日本側が関与できる余地はSSRの方が大きいとの評価もある。

 SPY6にこだわる海自幹部は「SPY6は米海軍が採用し、部品調達や整備などの面でメリットがある」と強調する。日本企業関係者も「SSRはまだ開発段階だが、SPY6は生産段階に入っている。能力は実証済みだ」と説明する。小野寺氏は「公平性、公正性を担保し選定作業を行っている」としている。

【用語解説】イージス・アショア

 海上自衛隊のイージス艦に搭載している迎撃ミサイルシステムを陸上に配備したもので、陸上で365日24時間態勢で警戒監視が可能。1千キロ以上の探知距離を持つ。配備候補地は山口、秋田両県で、この2基で日本全土をカバーでき、北朝鮮などによる弾道ミサイル防衛の中核を担うイージス艦の負担軽減にもつながる。

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