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【自民党大会】安倍晋三首相の総裁演説全文 憲法に自衛隊明記「違憲論争に終止符打つのは自民党の責務」

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自民党大会で演説する安倍晋三首相=25日、東京都港区(松本健吾撮影)
自民党大会で演説する安倍晋三首相=25日、東京都港区(松本健吾撮影)

 安倍晋三首相(自民党総裁)が25日の党大会で行った演説全文は次の通り。

 財務省の決裁文書書き換え問題をめぐり、皆様には大変ご心配をおかけしており申し訳ない思いでございます。この問題によって、国民の皆さんの行政に対する信頼を揺るがす事態となっており、行政の長として、その責任を痛感しております。行政全般の最終的な責任は内閣総理大臣であるこの私にあります。改めて、国民の皆様に深くおわびを申し上げる次第であります。

 なぜ、このようなことが起こったのか徹底的に明らかにし、全容を解明してまいります。その上で二度とこうしたことが起こらないように、組織を根本から立て直していく、その責任を必ず果たしていくことをまず冒頭、皆さまにお約束を申し上げます。

 さて、本日は、ちょうど桜がぱっと咲き始めた中、全国から常に自由民主党を応援していただいている皆さまに大変お忙しい中お越しをいただきました。おかげさまで本年も、盛大に自民党大会を開催することができました。誠にありがとうございます。

 また、先ほど、長年のご貢献で表彰をいただいた皆さま、おめでとうございます。そしてこれからもどうぞよろしくお願いを申し上げます。

 昨年の総選挙、皆さま方をはじめ、たくさんの皆さまの力強いご支援をいただき、小選挙区においても、比例区においても3回の総選挙で最も多くの票を得て、選挙に圧勝し政権を維持することができました。しかし、簡単な選挙ではありませんでした。厳しい戦いだった。

 その中で、毎日毎日、ビラを配り、一枚、一枚ポスターを貼り、一軒一軒戸をたたき、あるいは電話にかじりついて、支持を訴えていただいた。皆さま方が歯を食いしばって闘い抜いていただいたおかげをもちまして、本日、私たちは政権与党としてこの党大会を迎えることができました。党を代表して、衷心より厚く皆様に御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 先の総選挙を機に、谷垣禎一元総裁をはじめ多くの先輩方が後進に道を譲り、勇退されました。皆さんのリーダーシップがあったればこそ、あの苦しい3年半の野党時代を私たちは一致結束して乗り越えることができました。この政権奪還の勇士たちに皆さんにこの場所から、大きな拍手を持って感謝の気持ちを送ろうではありませんか。

 先ほどは、与党公明党の山口那津男代表から温かいご挨拶をいただきました。風雪に耐え、自公連立政権の上にこれからもしっかりと結果を出してまいります。

 また、榊原定征経団連会長からも力強いご挨拶をいただきました。毎年毎年、私は賃上げをお願いさせていただいております。今年は「3%以上」と具体的な目標を掲げました。これは、いくつかの労働組合の要求よりも高い数字になっていたわけでありますが、おかげさまで多くの企業で3%以上の賃上げが実現しました。これからもお願いをしたいと思っております。

 今年のお正月は久しぶりに私の地元下関市と長門市に帰りました。日本海と山陰の山々に囲まれた美しい故郷です。いつもそうするんですが私は帰りますと、この肺にたまった永田町の空気を一気に吐き出して、故郷のすがすがしい空気を胸いっぱい吸い込みます。そうしますと、一瞬、生まれ変わったような気持ちなんです。一瞬なんですが、残念ながら。

 このように、全国にある故郷、そして津々浦々の田園風景が美しい日本を形づくってきたのではないでしょうか。そしてそれを支えるのが、農林水産業です。ときには台風や大雨と戦い、荒れる海と戦い、急激に変わる自然と立ち向かう。農林水産業は厳しい仕事です。ですから、みなさんの手はゴツゴツしている。でもこのゴツゴツした手で農業を支え、地域を支え、美しい田園風景を守ってきた。日本の基を担ってきた。この誇りとともに生きてきた。この大切な農林水産業を私たちは必ず守ってまいります。私たちが進めている改革はそのための改革であります。

 5年前、日本の農林水産物の輸出額は4500億円でありました。攻めの農政を続けた結果、昨年はそれが8100億円。倍近くに増え、1兆円の目標も見えてまいりました。

 農家に育った高橋憲二さん。経験のない酪農に挑戦して30年。千葉の牧場で作ったブルーチーズは、チーズ本番フランスの国際コンクールで最高金賞に輝いたんです。おいしいお米、野菜果物。和牛。日本酒だけではありません。おいしい素晴らしい農産物はたくさんありますし、優れた農産物もつぎつぎと今、生まれているんです。守るべきは守り、攻めるべきは攻め、農家の皆さんの所得を上げてまいります。

 この5年間、生産農業所得は過去18年間最高水準になりました。もっと増やしていきます。そして若い皆さんが自分たちの未来や将来を、夢や希望を託すことができる農林水産業に必ず変えてまいります。

 先ほどご紹介をさせていただきました。わたしのふるさと長門市には海に向かってずっと赤い鳥居が続いていく元乃隅稲成神社というのがあるんです。かつては、1年間に数百人から多いときで1000人、2000人しか参拝者が来なかった。この地方のひなびた小さな神社をたまたまアメリカのCNNが紹介しました。そうしたら皆さん、昨年はなんと100万人が訪れたんです。そして、さい銭箱には25ヶ国のコインが入っていて神主さんもびっくりするそうであります。

 買い物中心の旅からそこでしか見ることができない風景、そこでしかできない経験。体験型の観光に変わり始めています。これは間違いなく地方にとって大きなチャンスなんです。海外からの観光客は800万人から、3倍以上、昨年は2800万人を超えました。

 皆さん、2020年の4000万人の目標に向かってこの観光を地方創生の起爆剤にしていこうではありませんか。

 4年半前、私は従業員9人の小さなメッキ工場を訪問しました。4年前の党大会でこのお話は紹介させていただきました。従業員を大切にせよ。先代の言葉を大事に守った若い社長さんは、中学を卒業し、あるいは高校中退し、入ってきた従業員を定時制工業高校に通わせ卒業まで支援をした。みんなこの若い社長さんの気持ちに応えようと、頑張って行程に工夫を重ね、そして営業に知恵を出し合い、生産性を高めて、そして売り上げを増やした。

 売り上げを増やした。さらに利益が上がった。そして賃金も上がったんです。あれから4年半、どうなったか確かめてみました。上がってればいいなって思ったんですが、従業員は1人増えていました。9人が1人増えたんですから、10%以上増えた。そして、この4年間、ずっと毎年3%以上の賃上げを続けてきたそうであります。

 4年半前、私が訪問した際、「安倍さん、給料が上がったから発泡酒からビールに変わったよ」という若い工員、4年半経って、こういっていました。「安倍さん、ずっと給料があがったんで、家飲みから外に飲みにいくことができるようになった。たまにははしご酒したいな」。皆さん、これが経済の好循環なのです。みんな頑張って生産性を上げ、そして社長はそれに応えて給料を上げていく。これが日本ではないでしょうか。これが日本の底力であります。そしてここに、生産性革命の、人づくり革命の重要性が示されています。

 2012年7月、8月には日本のGDPはマイナス3.5%でした。日本経済はデフレ不況に沈んでいた。人口が減少していくんだから、もう成長なんかできない。いや、もう成長なんかしなくたっていいよ。一番大きな問題は、この諦めなんです。でも、私たちは諦めなかった。政権を奪還し、3本の矢で挑んだ。そして5年、GDPは11.7%成長したんです。

 昨年は549兆円、過去最高の経済成長を記録した。前政権時代、正規雇用は50万人も奪われていました。この5年間で逆に78万人の正規雇用を増やした結果、正規雇用、有効求人倍率は史上初めて1倍を超えました。正社員になりたい。その求職者に対して1人以上の雇用があるという真っ当な社会を私たちは初めて作り出すことができたんです。それは皆さん、経済を成長させたからであります。

 伸びていく社会保障費、その財源を賄うためには、経済を成長させなければならない。だからこそ生産性革命であり、人づくり革命であります。その主役は中小企業、小規模事業者の皆さんです。「安倍さんがそんなこと言ったって俺たちは人手不足で大変だ」。こんな声が聞こえてきそうであります。よく私も知っていますから、人手確保のための支援をしっかりやっていきますし、人手不足を補うための生産性向上へ向けた攻めの投資を応援していきます。固定資産税ゼロの税制、そして補助金で頑張る中小企業、小規模事業者を、私たちは必ずしっかり、力強く応援していくことをお約束申し上げる次第でございます。

 「東北の復興なくして、日本の再生なし」の政権の原点を決して忘れずに、これからも東北の復興に全力で取り組んでまいります。また、熊本地震をはじめ、地震、台風、豪雨、豪雪、さまざまな被害が起きた地方の復興、そして生活支援にも全力で取り組んでいくことをお約束申し上げます。

 外交についてお話しします。核武装した北朝鮮を決して認めるわけにはいきません。来月、南北首脳会談が行われ、その次には米朝首脳会談が開催されます。核廃棄を前提に話し合いを求めてきた北朝鮮のこの変化を評価します。私たちが確固たる決意で臨んだからこそ、北朝鮮の側から話し合いを求めてきた。圧力を最大限まで高めていく、抜け道は許さない。日本はこの方針に向けて国際社会をリードしてきました。

 私たちの使命とはなにか。それは国民の命と平和な暮らしを守り抜いていくことであります。そのために、特定秘密保護法、平和安全法制、テロ等準備罪を激しい反対運動の中、黙々と成立させてまいりました。結果、国民を守るための大切な情報はより多く確保できるようになった。そして、日米同盟の絆はかつてないほど強固なものになりました。

 この基盤の上に、私は来月訪米し、トランプ大統領と首脳会談に臨みます。日本を守るため、日本の安全を守るために、核問題、ミサイル問題についてしっかりと話をしてまいります。そして、大切な拉致問題、米朝首脳会談が行われるこの機会に、拉致問題を前進させるため、全力で取り組んでいくことをお誓い申し上げます。

 私たちはこの5年間、さまざまな課題に取り組み、結果を出してまいりました。ときには困難な課題もあった。でも、それが国民にとって絶対必要だとの結論に至れば、先輩たちがそうであったように、たじろがずなすべきことをなしてきた。皆さんこれが、私たち自民党の誇りではないでしょうか。

 そしていよいよ、結党以来の課題である憲法改正に取り組むときがきました。4項目について議論を重ねてまいりました。もちろん、第9条においても改正案をとりまとめてまいります。

 先々週、私は防衛大学校の卒業式に出席しました。陸海空の真新しい制服に身を包んで、任官したばかりの若い自衛官たちから、ことに臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託に応える。この重い宣誓を最高指揮官、総理大臣として受けました。

 そうです皆さん、彼らは国民を守るためにその命をかける。しかし、残念ながらいまだに多くの憲法学者は彼らを憲法違反だという。違憲論争が今でもあります。結果、ほとんどの教科書にはその記述があり、自衛官たちの子供たちもこの教科書で学ばなければならない。

 皆さん、このままでいいのでしょうか。この状況に終止符を打とうではありませんか。憲法にしっかりとわが国の独立を守り、平和を守り、国と国民を守る。そして自衛隊を明記し、この状況に終止符を打ち、そして違憲論争に終止符を打とうではありませんか。これこそが私たち、今を生きる政治家の、そして自民党の責務であります。敢然とこの使命を果たし、新しい時代を皆さんつくりあげていこうではありませんか。そのことを皆さんとともにお誓い申し上げ、自民党総裁としてのご挨拶とさせていただきたいと思います。誠に本日はありがとうございました。

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