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【森友文書】財務省は一体何を隠したかったのか? 消えた「価格交渉」「政治家名」

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 学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐり、財務省理財局と近畿財務局による14の決裁文書書き換えが12日、明らかになった。価格交渉をうかがわせる部分のほか、政治家や安倍昭恵首相夫人に関する記述などもなくなっていた。財務省は、一体何を隠そうとしたのか。(沢田大典)

 近畿財務局による決裁文書は、森友側に特例的に土地を10年間貸し付けることを理財局に承認申請を行うための「特例承認の決裁文書」が作成され、それを受けて「貸付決議書」が作成され、さらに平成28年6月の売買契約時に「売払決議書」が作成された。

 理財局長だった佐川宣寿氏は昨年2月、国会で「交渉記録はない。面会などの記録は廃棄して残っていない」と答弁した。貸し付け可能だという見通しを伝えたことも「ない」と述べていた。3月には「価格をこちらから提示したこともないし、先方からいくらで買いたいという希望があったこともない」と価格交渉を明確に否定していた。

 ところが、書き換え前の「特例承認の決裁文書」には、近畿財務局と森友学園の籠池泰典理事長(当時)らとの交渉状況が細かく記されていた。

 籠池氏が国土交通省大阪航空局を訪れ、近畿財務局職員が同席する中で、土地の貸し付けとその後の購入を希望していたことや、近畿財務局との打ち合わせの中で昭恵夫人の発言を紹介したことなども詳細に書かれていた。「学園は、事前に伝えている概算金額から相当に低い額の見積書提示を繰り返し(3回)、見積り合わせ不調となる」との記述もあった。

 自民党の鴻池祥肇参院議員、平沼赳夫前衆院議員らの秘書が「近畿財務局から森友学園に示された概算貸付料が高額であり、なんとかならないか」と働きかけていたことも記載されていた。ただ、これらの働きかけには、財務省側は「価格についてはどうにもならない」とにべもなかった。

 「売払決議書」では価格を「通知(口頭)」との部分が削られていた。これら、価格交渉をうかがわせる記述が、他の文書からも削られる形になっている。

 元大蔵官僚の高橋洋一嘉悦大教授は「佐川氏が決裁文書をよく読まずに答弁し、後で違っていると気付いて理財局から書き換え指示が出たのではないか。問題ない内容ばかりで、答弁を修正すればよいだけだ。あまりにもお粗末だ」と指摘した。

 「貸付決議書」からは「本件の特殊性」との文言も削られていた。野党は昭恵夫人の関与や安倍首相への忖度だったと指摘するが、「特殊性」の具体的な内容は文書からは読み取れない。旧通産省出身の岸博幸慶大大学院教授は「昭恵夫人の関与や忖度なのか、地中にゴミが埋まっているのか、土地がいわく付きなのか事情聴取してみないと分からない」と語った。

 菅義偉官房長官は12日の記者会見で、今回の問題が「文書改竄」に当たるかを問われ「書き換えだと思う。主文というか、本文についてはほとんど変わっていなかった」と述べた。

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