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【国難を問う(5)】戦後メディア史の汚点 「不都合な真実」に蓋 偏向報道「知る権利」阻害

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戦後メディア史の汚点 「不都合な真実」に蓋 偏向報道「知る権利」阻害

国難を問う(5)更新
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 すぐ目の前にある北朝鮮危機よりも、日本を衰亡に導く少子高齢化問題よりも、民間の学校法人をめぐる言いがかりのような「疑惑」が衆院選の焦点なのか。新聞やテレビなどマスメディアは、本当に事実を伝えているのか。自社の論調や好悪に合わせて極めて恣意的に編集し、大切なことでも「不都合な真実」は無視してはいないか。

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 メディアは「フェイク(偽物)ニュース」を多発しているのではないか-。

 多くの国民がそう実感し始めている。今や情報の選別・伝達が報道機関の「特権」だった時代は過ぎ去り、インターネットなどで記事や番組の真贋と実態がただちに検証され、暴かれる時代が到来した。

 にもかかわらず、一部の新聞もテレビも読者・視聴者を侮り続け、印象を操作して一定方向に誘導しようと努めている。このままではマスメディアと情報の受け手の信頼関係が成り立たなくなり、民主主義の根幹が破綻していきかねない。

 筆者は9日付本紙朝刊で、8日の日本記者クラブ主催の党首討論会での朝日新聞論説委員、坪井ゆづると毎日新聞専門編集委員、倉重篤郎の質問姿勢を取り上げた。どちらも、加計学園の獣医学部新設をめぐるやりとりである。

 おさらいすると首相(自民党総裁)の安倍晋三が、7月10日の国会閉会中審査での前愛媛県知事、加戸守行の証言(「ゆがめられた行政が正された」など)について「朝日は次の日は全く報道していない」と指摘したのに対し、坪井は「しています」と即答した。

 さらに、安倍が「本当に胸を張って(報道を)しているということができますか」と問うと「はい、できます」と明言した。

 実際は、11日付朝日朝刊は加戸の証言を一般記事で一行も取り上げていない。審査の詳報の中でわずか20行触れただけだった。

 朝日は、加戸とは逆に「(首相官邸サイドに)行政がゆがめられた」と主張する前文部科学事務次官、前川喜平の言葉に関しては一般記事のみならず社説やコラムでも洪水のように報じてきた。安倍政権を批判する意見は拡声器で広める一方、その正当性を語る声には耳をふさぐのだ。

 坪井は「朝日(の世論調査)で、安倍さんの説明が十分でないというのは79%だ」とも強調した。だが、朝日やその同調メディアは安倍や政権側の説明をきちんと伝えてきたのか。読者・視聴者の理解や納得に資する報道は、残念ながらほとんど見当たらない。