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【衆院解散】アベノミクス再び審判 雇用は改善、個人消費は低迷

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アベノミクス再び審判 雇用は改善、個人消費は低迷

衆院解散更新
衆院が解散され、衆院本会議場を後にする安倍晋三首相=28日午後、国会内(福島範和撮影) 1/1枚

 衆院選では安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」が再び審判を受ける。平成24年12月の第2次安倍政権の発足後、円安・株高が進み企業業績や雇用環境は大きく改善。ただ、賃上げや個人消費は力強さを欠き、デフレ脱却は道半ばだ。新党「希望の党」を率いる小池百合子東京都知事はアベノミクスの効果を疑問視して消費増税凍結を公言しており、有権者の判断が注目される。

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 「内需主導の力強い経済成長を実現した」。安倍首相は25日の衆院解散表明の記者会見でこう自賛した。

 成果が顕著なのは株高と円安だ。28日の日経平均株価終値は2万円の大台を突破し、政権発足時のほぼ2倍。同日の外国為替相場も1ドル=113円台で取引され、政権発足時から約30円も円安が進んだ。

 後押ししたのはアベノミクス「第1の矢」の金融政策だ。日銀は25年4月から大規模な金融緩和を続けている。

 これを受け、企業業績は輸出産業を中心に好転し、28年度の経常利益は24年度比で26兆5千億円拡大。雇用も改善し、今年7月の有効求人倍率は43年5カ月ぶりの高水準だ。

 ただ、賃上げと個人消費の回復は鈍い。連合の集計によると、29年の春季労使交渉(春闘)の賃上げ率は前年比1.98%と4年ぶりに2%を下回った。企業は、将来の経営環境への慎重姿勢から脱しきれていないとみられ、設備投資の伸びも鈍化。その一方、手元にため込んだ利益「内部留保」はこの4年間で100兆円余り膨らんだ。

 賃上げ伸び悩みなどで、7月の1世帯(2人以上世帯)当たりの消費支出は政権発足時より4万6千円以上ダウンした。

 「賃上げの鈍さに加え、社会保険料などの負担や将来の社会保障制度への不安が、消費意欲を下押ししている」(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎氏)

 消費が伸びなければ企業は値上げできない。日銀が目指す物価上昇率2%は遠く、デフレ脱却には課題が残る。(山口暢彦)