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陸自ヘリ部品、比に無償譲渡 対中牽制で法改正第1号

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陸自ヘリ部品、比に無償譲渡 対中牽制で法改正第1号

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豪雨被害で孤立した大分県日田市鶴河内地区へ物資を空輸する陸上自衛隊の輸送ヘリ=7月11日 1/1枚

 防衛省がフィリピンに陸上自衛隊のヘリコプター部品を年内に無償で譲渡することが1日、分かった。平成26年に閣議決定された防衛装備移転三原則に基づく海外移転であり、今年5月に自衛隊の中古装備品を無償譲渡できるようにする改正自衛隊法が成立したことで可能になった。無償譲渡としては第1号となる。

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 東南アジア向けの防衛装備協力ではタイへの航空自衛隊の地上防空レーダーの輸出計画が明らかになっており、防衛省はそれと並ぶ中国に対する牽(けん)制(せい)と位置づける。

 フィリピンに無償で譲渡するのは陸自の多用途ヘリ「UH1H」の部品。昭和48年度から配備を始め、性能を向上させたUH1Jへの切り替えに伴い、平成3年度以降、132機を順次退役させた。

 UH1Hは1機だけ現役として扱われているが、退役した機体や修理用の部品が大量に霞ケ浦駐屯地(茨城県)にある関東補給処に保管されている。フィリピン軍もUH1Hを運用しており、今年に入り同軍関係者が訪日して部品の状態を確認した上で「譲渡してほしい」と要請してきた。

 これまで財政法上、国の財産は適正な対価がなければ譲渡できなかったが、改正自衛隊法で中古装備品の無償譲渡を可能にする例外規定を新設した。

 防衛装備移転三原則に基づき、今年3月には初めてフィリピンに2機の海上自衛隊の練習機「TC90」を有償で貸与している。防衛省はさらに3機を来年3月までに貸与する方針で、これも無償に切り替える方向で調整に入った。

 ただ、無償譲渡は輸出と異なり日本の防衛産業の利益につながらない。実利を重視するフィリピンのドゥテルテ政権は中国との経済協力も深めており、対中牽制の効果も未知数だ。