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【憲法施行70年】改憲議論、重い足取り 「与野党協調」路線で9条は対象外に…

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改憲議論、重い足取り 「与野党協調」路線で9条は対象外に…

憲法施行70年更新
参考人から意見聴取する衆院憲法審査会=4月20日午前、衆院第18委員室(斎藤良雄撮影) 1/1枚

 憲法改正を目指す安倍晋三首相の強い思いとは裏腹に、国会での改憲議論は遅々として進んでいない。自民党は緊急事態条項などを改憲項目の候補に据えるが、衆院憲法審査会で項目の絞り込みに入るのは早くても今秋以降だ。政治的対立を生みやすい9条は候補ですらない。自衛隊の存在を明記するための9条改正は多くの政党が必要と認識しているにもかかわらず、“怠慢”が続いている。

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 「足元の政局や目先の政治闘争ばかりにとらわれ、憲法論議がおろそかになることがあってはならない」

 首相は1日、改憲派の集会でこう強調した。首相が踏み込んだ発言をしたのは「我慢の限界が近づいてきた」(自民党幹部)からとみられている。

 今国会は召集から3カ月以上たつのに、憲法審の審議は3回にとどまる。与野党で辛うじて見えてきた接点は、大規模災害などの緊急事態と国政選挙が重なった場合の国会議員の任期延長だ。

 自民党は「必須だ」と改正を主張し、民進党も「検討に値する」としている。だが、公明党は党憲法調査会長の北側一雄副代表が任期延長に積極的だが、山口那津男代表は「これからの議論だ」と慎重で、意見が集約されていない。

 現行憲法の最大の矛盾である9条に至っては、各党とも具体的な議論を進めようとさえしていない。

 民進党は、旧民主党時代の平成17年に発表した「憲法提言」で9条を改めるべきだとしていた。今は蓮舫代表が9条改正反対を明言し、4月には次期衆院選に向けて共産、自由、社民各党と「9条改悪阻止」の政策合意を結んだ。

 公明党も26年衆院選までは自衛隊の存在明記を「慎重に検討する」と公約していた。しかし、山口氏は27年の安全保障関連法成立を理由に改正の必要はなくなったとの立場に転じた。

 自民党は24年の改憲草案で「国防軍の保持」を明記したにもかかわらず、現在は改憲候補に位置づけていない。党憲法改正推進本部の保岡興治本部長が「憲法改正実現には政治的な対立は避けなければならない」との考えだからだ。

 党内には「9条改正なしの憲法改正はあり得ない」(山田宏参院議員)との声も多い。保岡氏ら“憲法族”が重視する与野党協調路線への不満も出ている。4月25日の改憲派の集会で、憲法審幹事の平沢勝栄衆院議員は、こう訴えた。