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【田中角栄逮捕40年】石原慎太郎・元東京都知事「金権政治は角さんの罪じゃない」「私はあの人を好きだったんですね」

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石原慎太郎・元東京都知事「金権政治は角さんの罪じゃない」「私はあの人を好きだったんですね」

田中角栄逮捕40年更新
自民党「青嵐会」のメンバーとして、首相の田中角栄(手前)を表敬訪問した石原慎太郎(後方中央)=昭和48年7月26日、首相官邸 3/3枚

 戦後最大の疑獄事件「ロッキード事件」で田中角栄元首相が逮捕されてから27日で40年となった。

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 米ロッキード社の旅客機売り込みに端を発した事件では東京地検特捜部が計16人を受託収賄罪などで起訴して「最強の捜査機関」と呼ばれる契機となった。

 最近は政治指導者としての田中元首相の手腕やその遺産を再評価する動きもある。

石原慎太郎・元東京都知事「金権政治は角さんの罪じゃない」

 角さんは非常に義理人情に厚いリーダー像の象徴で、エリート官僚もとりこにしてきた。

 日本全体を機能的な都市にし、合理的に道路や空港を使用できるようになったのは角さんのおかげです。私たちはその中に今、生きているわけです。各県に地方空港を造り、日本中に高速道路を造り、新幹線が走り、リニアが走るという、国土を非常に使いやすく便利にした。

 人口問題は日本の国力だから、歯止めはなかなか難しい。角さんだったら人口を増やすために奇想天外な面白い手を打ったんじゃないか。しかもそれを推進するレトリックをあの人だったら持ってると思う。だって、「日本列島改造論」って誰も思いもつかなかったものでしょう。

 《田中の首相在任中の昭和48年、若手政治家の政策集団「青嵐(せいらん)会」を立ち上げ、「金権政治」を批判した》

 自民党の歴史をながめてみれば総裁選はみんなカネカネカネでしたわけです。それは容易に変わるもんじゃなかった。その伝統にのっとって角さんはカネをあつめて、権力の座をしとめたんだから。角さんの罪でもなんでもない。選挙でべらぼうなカネが使われたのも、総理総裁の自負としてせざるを得なかったのでしょうね。

 角さんとの象徴的なエピソードはスリーハンドレッドクラブ(神奈川県)での話に尽きるね。

 金権政治を批判後、ゴルフ場のテニスコートでテニスをしてクラブハウスに引き揚げたとき、仲間の参院議員がいた。私を見ていかにもバツが悪そうな顔をし、許しを請うように片手を挙げました。それを見て向かいに座っていた相手がけげんそうに振り返って、それが角さんでした。

 私もびっくりして、まずいなと思ったんだけど、「おお石原君、久しぶりだな、こっち来て座れよ」と手招きした。私は「先般はいろいろご迷惑おかけしてすいません」と頭を下げたら、「ああ、お互いに政治家だ。気にするな」って。

 「まあ、ちょっと付き合って一杯飲めよ」とウエーターを呼んで「おい、ビールをもう1つ」。これは、何という人だろうと思わぬわけにはいかなかったね。

写真ギャラリー

  • 石原慎太郎氏=5日午後、東京都港区麻布台(宮川浩和撮影)
  • 逮捕され東京地検の玄関から東京拘置所へ向かう田中角栄=昭和51年7月27日