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【沖縄県民大会】革新勢力にのみこまれた翁長知事 ついに「海兵隊撤退」に言及したが…

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革新勢力にのみこまれた翁長知事 ついに「海兵隊撤退」に言及したが…

沖縄県民大会更新

 那覇市で開かれた県民大会のメーン会場となった奥武山公園の陸上競技場は那覇空港からモノレールで約10分で着く。開会の30分前、最寄り駅の改札は会場に向かう人たちで長蛇の列ができていた。

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 平成7年に米兵少女暴行事件に抗議し、主催者発表で約8万5千人(県警発表は約5万8千人)を集めた県民大会の会場は宜野湾海浜公園だった。空港から車で30分以上かかる。

 今回の大会に出席を見送った市長の一人は「県外からの動員を期待して会場を決めたはずだ」と指摘する。

 ■参加のハードル

 「元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾」

 大会名にはこんなスローガンが掲げられ、採択した決議には「海兵隊の撤退」が盛り込まれた。これは翁長雄志知事が参加する上で高いハードルだった。翁長氏の公約は米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設阻止で、革新勢力が訴える海兵隊の撤退までは求めていないからだ。

 翁長氏は苦肉の策で、辺野古移設阻止や、自民党が主張する基地の整理・縮小も「海兵隊撤退という言葉の中に含まれる」との方便を持ち出し、大会参加に踏み切った。政府高官は「海兵隊の撤退要求は日米安保体制を否定するもので、(翁長氏が)保守政治家として日米安保に理解を示すというのであれば明確に一線を画すべきだ」と批判する。

 ただ、オール沖縄会議の支援を受ける翁長氏にとって大会に不参加という選択肢もなかった。今月5日の県議選で議席を増やし、発言力を高める革新政党に決議内容を固められた末に大会に引きずり出され、海兵隊撤退要求にも言及せざるを得ず、保守政治家を自称する根拠はさらに乏しくなったといえる。

 ■砂上の楼閣は

 翁長氏を支持する勢力のうち唯一の保守系議員の集まりである那覇市議会会派「新風会」の2人は県議選で共倒れし、会派も分裂。翁長氏は日米安保や米軍基地を指して「砂上の楼閣」という言葉を好んで使うが、「(翁長氏は)革新にのみこまれ、保革融合のオール沖縄こそ砂上の楼閣」(県幹部)と指摘される。

 革新政党の主張が前面に掲げられた大会に自民、公明両党が参加できるはずもなく、翁長氏が望んだ超党派での開催も実現しなかった。超党派開催だった平成7年の大会が普天間飛行場の返還合意へと日米両政府を突き動かしたのに対し、今回の「政治集会」の訴求力は格段に弱い。