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【北朝鮮事情】イトーヨーカ堂とAOKI、中国の総連系工場製衣料を販売 制裁逃れ浮き彫り  

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イトーヨーカ堂とAOKI、中国の総連系工場製衣料を販売 制裁逃れ浮き彫り  

北朝鮮事情更新
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 総合スーパーのイトーヨーカ堂と紳士服のAOKI(アオキ)が、北朝鮮労働者の働く中国内の在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)系企業製造の衣料を日本国内で販売していたことが31日、分かった。朝鮮総連関係者が明らかにした。政府は核実験を強行した北朝鮮からの輸入を禁止しているが、北朝鮮労働者が組織的に働く第三国からの輸入は野放しになっている。主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)は北朝鮮の核開発が深刻な脅威であるとの認識で一致したが、制裁をすり抜け日本企業を通じて外貨獲得にいそしむ実態が浮き彫りになった。

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 関係者によると、朝鮮総連系企業は中国・丹東市の縫製業「愛特服装有限公司」。愛特服装は朝鮮総連傘下の商工会幹部が経営し、北朝鮮労働者約700人が縫製工場で働いている。

 北朝鮮労働者の月給は1人平均3万円余り。日本向けスーツなど昨年約400万着を生産し、別の会社を経由してイトーヨーカ堂とAOKIなどに納品された。2011年当時の工場の北朝鮮労働者は約300人で、約5年で倍増した。

 また、愛特服装は、北朝鮮の別の工場から労働者を引き受けていた。朝鮮総連を担当する朝鮮労働党統一戦線部が身元確認した労働者が愛特服装に派遣されるなど北朝鮮の影響下にある状態が続いている。

 米国は3月16日、北朝鮮労働者が海外で稼ぐ外貨が北朝鮮の核開発に転用される可能性を危惧して、労働者派遣に関与する者に対し制裁を科すことができる大統領令を出した。

 一方、日本は06年から、北朝鮮からの輸入を全面的に禁止。今年1月の北朝鮮による核実験を受け、北朝鮮に寄港した第三国籍船舶の入港禁止を新たに決めたが、北朝鮮の海外労働者により第三国で生産された製品を日本国内で販売する行為は認めている。

 イトーヨーカ堂とAOKIは同工場製衣料の販売の適否について、それぞれ「法令を順守している。直接の取引先から『工場の生産体制に問題ない』と報告を受けている」「工場の詳細を把握していない」としている。