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【衆院予算委詳報】安倍首相「違ったら国会議員をやめます」「国論を二分しようとの策謀に引っかかってはだめ」 拉致問題をめぐり熱弁

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安倍首相「違ったら国会議員をやめます」「国論を二分しようとの策謀に引っかかってはだめ」 拉致問題をめぐり熱弁

衆院予算委詳報更新

 安倍晋三首相は12日の衆院予算委で、北朝鮮による拉致問題に関する民主党の緒方林太郎氏の批判に対し、「真実と違っていたら国会議員を辞める」などと強い口調で反論した。質疑の主なやり取りは以下の通り。

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 【核実験】

 緒方林太郎氏「北朝鮮の核実験は言語道断。恐らく対応次第で拉致問題への影響も出てくる。いち早い、すべての被害者の帰国のために、日本の対応や独自制裁などについては、どうお考えか」

 首相「北朝鮮による核実験は、わが国の安全に対する重大な脅威であり、これだけの挑発行為を行ったからには今まで通りとは決していかないことを北朝鮮に対して明確に示していくことが必要であります。新たな安保理決議に実効的な措置を盛り込むこと。そして、わが国独自の厳しい措置についても毅然かつ断固たる対応を行っていくこと。これが北朝鮮による核実験への、行動対行動の原則の下でのわが国の答えであります」

 首相「同時に拉致問題を解決するための対話の窓口をわが国から閉ざすことは致しません。家族会の方々も北朝鮮に対して厳しい措置を取りつつ対話の窓口はオープンにし続けることを望んでいるわけでございます。行動対行動、今までのようなわけにはいかないわけでありますから、しっかりとした措置、制裁を行っていくわけでございますが、同時に対話と圧力の原則のもと、北朝鮮に対して厳しい圧力をかけながら対話の窓口をわが国から閉ざすことなく、拉致問題の解決に向けて全力を尽くしていきたいと考えています」

 【拉致問題】

 緒方氏「安倍首相のこれまでの拉致問題に対する姿勢について。先般12月に元家族会事務局長の蓮池透さんが著書を出している。『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』という題の本。その第1章の表題は『拉致を使ってのし上がった男』。53ページに『今まで拉致問題はこれでもかというほど政治的に利用されてきた。その典型例は実は安倍首相によるものである』と書いている」

 首相「その本、私はまだ読んでおりませんが、いちいちコメントするつもりはございません。家族会の中からも、実はその本に対して強い批判があるということもご紹介させていただきたい。大切なことは北朝鮮に対して一致結束して、今われわれも一生懸命やっているのですから、すべての被害者を奪還するために全力を尽くしていくことではないかと思います」

 緒方氏「安倍首相は拉致を使ってのし上がった男でしょうか」

 首相「そういう私は議論をする気すらはっきり言って起こりません。そういう質問をすること自体がですね、この問題を政治利用しているとしか思えないわけであります。私はですね、まさにこの問題については父親の秘書を務めているときから取り組んでまいりました。当時はまったく誰からも省みられなかったわけでありますし、私もずいぶん批判を受けましたよ、この問題については。しかし批判を受けましたが、まさに被害者を取り戻すことが政治の責任であるとの思いで今日まで仕事をしてきたつもりであります。もちろん政治家の仕事、困難な仕事には常に批判が伴うが、そうした批判は受け止めながら、しっかりと結果を出していくために努力を重ねていきたいと思っている」

 緒方氏「具体論に入ってうかがいたい。2002年、小泉総理の訪朝時、蓮池薫さんら5人が戻ってきたとき、当初は一時帰国であるとされ、その後いったん北朝鮮に戻す約束になっていたといわれている。しかし、世間的には当時安倍官房副長官が強硬に反対して北に戻さなかったということになっている。安倍首相も自身のフェイスブックに『私は職を賭しても日本に残すべきだと判断し、小泉総理の了解を取り、5人の被害者は日本にとどまった』と書いている。一方で蓮池さんの本には、72ページに『安倍氏や中山参与を含め、日本政府は弟たちを止めることなどしない。戻す約束があるから』と。少しページが移り、『弟たちの日本にとどまる強い意志が覆らないと知って、結果的に尽力したのが安倍氏、中山氏であった』と。『両氏は弟たちを一度たりとも止めようとしなかった。止めたのは私なのだ』という風に書いている。まったく反する」

 首相「私はこの問題について、利用したことも嘘をついたこともございません。ここに平沢議員がおられますが、当時はこの5人の被害者を北朝鮮に戻すということが流れだった。流れだったわけだが、私は断固として反対した。平沢さんも反対した。これをどう覆すか、大変だったんです。しかし、まさに、最終的に私の官房副長官の部屋に集まって、私も、中山恭子さんも集まりました。関係者がすべて集まりました。今NSC(国家安全保障局)局長の谷内さんも集まった。当時の斉木さん、今の斉木次官も集まった。そこで最終的に私は帰さないとの判断をした」

 首相「透さんはそこには関わっていないが、これは例えば、他の拉致被害者ご本人に聞いていただければお分かりだと思います。私は、誰が嘘をついているとは言いたくありませんが、私が申し上げていることが真実でありますし、他の方々に聞いていただきたいと思いますよ。いま1人の本だけを使ってですね、この本に対してすごく怒っている人だっている。家族会の中に。あえてあまり、私もそういうことは申し上げたくありませんよ。中でどうなっているかということはですね。しかしそれはほとんどの人たちがおかしいと思っている。この本に対して。でもあえて私はそれをいま言いませんけども、恐らく、こういうことをされれば、そういう声があがってくることになる。ですから私はあえてそういうことは致しませんでした」

 首相「大切なことは今そんなことを言い合っているときじゃないんですよ。5人の被害者を、8人の死亡したといわれている人たち、そしてすべての被害者を取り戻すことではないか。常にですね、あの5人の被害者を日本に残すときもそうだった。国論を二分しようという策謀は常にある。こんなものにひっかかっていてはだめ。そうではなくてしっかりと私たちは団結をしなければいけない。あなたがこういう質問をすること自体が私は本当に残念に思います」

 緒方氏「蓮池さんは嘘を言っているのか」

 首相「私は誰かを落とすことは言いたくありません。私が申し上げていることが真実であることはバッジをかけて申し上げます。私の言っていることが違っていたら、私は辞めますよ。国会議員を辞めますよ。そうはっきりと申し上げておきます」

 緒方氏「政治利用をしたことがないというが、85ページを読み上げます。『新潟での先の総選挙。2014年の総選挙では新潟2区大激戦。最終的に自民党の細田健一候補が102差で勝ったが、その際の選挙活動について、安倍首相はまだ政治利用をやめようとしない。細田健一候補の劣勢があると弟が招かれたが、多忙と断ると、両親がかり出された。ご両親も来ていると紹介された』と。政治利用ではないか」

 首相「まずですね、例えば蓮池薫さんの話をあなたはまったく聞いていない。両親の話をあなたはまったく聞いていない。本の引用だけじゃないですか。本の引用だけであなたは独自の取材を全くせずに、ここで私の名誉を傷つけようとしている。極めて私は不愉快ですよ。こんなことをやっていて、私は何の意味があるんですか。20年前、私たちが一生懸命拉致問題をやっていたときにあなたは何をやっていたのですか」

 首相「あの時はまだまだ厳しい状況だった。その中でわれわれは歯を食いしばってやってきた。あの5人を帰すか帰さないか、大変な決断でした。官邸の中でも反対論もあった。ずいぶん。しかし、あのとき帰さないことによって、事実、お子さんたちは残念ながら日本に帰ってくることはできなかった。ずいぶん批判をうけました。その批判を私は一身に受けました。しかし批判はあっても5人を帰しては、決してもう二度と日本の土を踏むことはできない、こう考えていた。幸いその後、小泉総理の訪朝があって、ご家族の皆さんも帰ってくることができた。私は良かったと思っています」

 首相「いまここであなたが批判することが北朝鮮の思うつぼなんですよ。そういう工作は今までもずっとあった、というのは事実。常にマスコミを二分し、国論を二分して、この問題で戦う力を落とそうとしてきたのが今までの歴史であります。私も1994年以来、ずっとこの問題に関わってきていますから、よく分かっています。しかし私は、そういう策謀には決して負けずにここまでやって参りました。大切なことは、何度も申し上げますように、8人の被害者を含めてすべての拉致被害者の奪還のために一致協力して全力を尽くしていくことではないでしょうか」

 緒方氏「政治利用したのではないかとのことには答弁がなかった」

 首相「もう私は、こんな質問をですね、大切な時間を使ってお答えするのは本当に残念。そんなことはございませんよ。多くの国民にこの問題について知っていただきたい。街頭で訴えてきたわけであります。と同時にですね、この問題を一緒に戦う同志にこの政治の場で頑張ってもらいたい、という中において、選挙でお話をすることは当然ありますよ。しかし、今までは違いましたよね。かつては違ったんですよ。他の政党はずいぶん違いましたよ。北朝鮮はそんなことやるわけがないと、私はずいぶん質問を受けましたよ。そういう時代だってあった。そういうことを忘れてはならない。私たちはそれと戦いながら、今日まできている。そして、1人の本だけ、どういう思惑があるか分かりませんよ、その1人の方の本だけをもって誹謗中傷するのは、少し無責任ではないか」