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【「市民連合」結成会見詳報(2)】山口二郎法大教授「民主党は市民の叫びに引っ張られ成長した」

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山口二郎法大教授「民主党は市民の叫びに引っ張られ成長した」

「市民連合」結成会見詳報(2)更新

 学生グループ「SEALDs(シールズ)」などの市民団体が20日に開いた「安全保障法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)結成記者会見の詳報は次の通り。

<< 下に続く >>

《立憲デモクラシーの会・山口二郎法政大教授》

 「この5団体(シールズ、安全保障関連法に反対する学者の会、立憲デモクラシーの会、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会、安保法制に反対するママの会)が動いた経緯について補足する。10月から民主党の枝野幸男幹事長の呼び掛けで、安保法制に反対した野党と諸団体の意見交換の場が開設され、12月までに3回持たれた。そこに呼ばれた5団体が今回の5団体だ。われわれは政党間の話し合いによる政党同士の共闘というすっきりした形がなかなか現実的に望めないという状況を見て、年内に市民の側から野党の協力を呼び掛ける動きを始めたいということで発足に至った」

 「具体的に何をやるかだが、まず要綱を基盤にした、あるいは自民党政権への政策的対抗軸を提示するということ。要するに、安倍政治許せない、非自民というときの思想的、政策的な基軸を立てる作業。これは特にわれわれ学者や若い学生の皆さんと議論しながら進めていく。そのような対抗軸を一般の人々に訴えていくために、世論に対するさまざまな働き掛けを行う。さまざまな情報発信、街頭などでの行動やシンポジウムなどの行動が予定されている」

 「2つめは、要綱に合致した市民派野党統一候補の推薦、支援を各地の市民団体と連携して行う。発足以前も私や(記者会見の司会を務めた)中野晃一上智大教授は、特に参院選の1人区で野党統一候補の擁立を目指して苦労しているところに呼ばれ、講演などをしてきた。そうした人たちの思いを受け止めて、全国的にそれをつないで野党統一候補の擁立という大きな流れ、うねりを作りたい」

 「3つめとして、市民連合への個人賛同者は2000万人署名を通じる形で募集し、賛同団体はメールやホームページなどを通して受け付けるという形で運動を広げていきたい。具体的には1月5日12時から13時半、新宿駅西口で街頭宣伝と2000万人署名のキャンペーンを行う。1月23日14時から14時半、北区王子の複合文化施設『北とぴあ』でシンポジウムを開催する予定だ」

 「われわれは野党結集のために選挙の態勢ができたところには、応援も入るということで、まず手始めは、参院選ではないが、来年4月予定の衆院北海道5区補選で勝利を目指して、非自民側の候補の応援に駆け付けたい。それから熊本、石川、山形、鳥取・島根合区など幾つかの県で、既に野党系の統一候補の擁立が、かなり進んでいるところがある。そういったところにも行って、選挙に向けた世論を高める。必要があれば、それ以外の1人区の県でも野党統一候補の擁立を進めている地域の市民団体や地方議員などと連携しながら、統一候補擁立の機運を強め、各野党に一層強く働き掛けをしていきたい」

 「今年の安保法制反対の運動を振り返り、これは非常に新しい政治文化の出現だと思うし、現実政治に対するインパクトはすごく大きなものがあったと思う。安倍(晋三)さんは馬耳東風、聞く耳もたずで変わらないが、われわれがやったから余計かたくなになった面はあるが、安保反対の市民の動きが変えたのは野党だと思う」

 「特に民主党が集団的自衛権、安保法制に対してどういう対応をとるかは、今年春ぐらいの段階ではよく分からなかった。正直言って。私みたいな、世間では民主党のブレーンだといわれている学者が、あれは憲法違反だと言っても、なかなかすっきりまとまらない。だけど、国会の周りに何万という人が集まって、安保法制反対、憲法違反だと叫ぶことによって、やはり民主党も引っ張られていって、民主党の議員たちも国会前、その他の場で何万という市民の息吹に触れることによって、やっぱりいささか僭越だが、成長していったと思う」

 「まさに市民が主だ。だから民主主義だ。政党がその後を追いかけて、民主主義にどんどん目覚めて、背中を押されてエネルギーを充電していった。こういう展開が今年8、9月の出来事だった」

 「今回このような市民連合を立ち上げることによって、今度は具体的な参院選、とりわけカギを握る1人区で野党を統一した候補を擁立するというゴールに向けて、もう1回、市民のうねりによって政党を動かしていくというプロジェクトにこれから取り組んでいきたい」

 「市民の動きなので、実際にビラを配ったり、戸別訪問をやったりのような地べたをはうような選挙運動はわれわれにはできないが、この間、安保法制反対運動で築いてきたさまざまな意味での発信力、ネットワーク力を使いながら各選挙区で野党候補の勝利に向けて最大限努力していきたい」