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【佐世保の赤旗勧誘】「『ぼろきれ』買うつもりで承諾」元購読者 「学習資料」市議弁解 大事な収入源…読者拡大を目指す共産党

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【佐世保の赤旗勧誘】「『ぼろきれ』買うつもりで承諾」元購読者 「学習資料」市議弁解 大事な収入源…読者拡大を目指す共産党

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 「赤旗は政治経済の記事も多い。学習資料として取っているから問題はないと考えている」

 長崎県佐世保市の共産党市議、山下千秋氏は、市職員に対する党機関紙「しんぶん赤旗」の勧誘について、こう弁解した。

 山下氏は当選7回のベテラン議員。前任の共産市議の手法を引き継ぎ、初当選した昭和58年以来、主に職員が係長へ昇任する時期に合わせて勧誘していたという。

 だが、市議による勧誘を、押し付けと受け止める“購読者”は少なくない。

 40代の男性職員は「市議さんから勧められると、職員として断るのは難しい。申し込みはしたが、他の新聞も取っており、しんぶん赤旗はほとんど読まない」という。

 もっと辛辣な意見もある。

 元職員の70代の男性は「現役の頃は『ぼろきれ』を買うつもりで勧誘を承諾していた。平職員も購読を勧められていた」と証言する。

 「職員の学習資料」と山下市議がいう「しんぶん赤旗」だが、共産党は読者拡大に躍起となっている。

 平成25年9月の党第8回中央委員会総会の決議では「『しんぶん赤旗』読者拡大では、すべての都道府県、地区委員会、支部が、日刊紙、日曜版とも、第25回党大会時(平成22年)の水準の回復・突破を目指す。全党的には、日刊紙で3万5千人、日曜版は18万9千人以上の拡大に挑戦する」と目標を掲げた上で「この目標は大きいように見えるが、一つひとつの支部でみるならば、すべての支部が毎月、日刊紙読者を1人以上、日曜版読者を2人以上前進させることができれば、達成が可能である」とする。

 読者拡大が事実上のノルマとして、各支部に課せられたようにも受け取れる。

 背景には共産党の台所事情がある。

 共産党の収入は8割以上を「しんぶん赤旗」の購読料金が支える。

 だが、平成2年に46万人とされた党員数は24年には32万人まで減少した。赤旗の購読者も減った。日曜版、日刊紙を合わせた発行部数は、昭和55年党大会で報告された355万部をピークに、昨年1月の党大会では124万部まで落ち込んでいる。この結果、赤旗などの出版収入は23年は198億円で、13年(285億円)に比べ、3割減少した。

 共産党は政党助成金を受け取っていない。

 共産党は今年1月、衆院に政党助成金廃止法案を提出した。その後の記者会見で志位和夫委員長は「政党助成金制度は国民1人当たり250円という税金を支持していない政党にも渡すもので、憲法に保障された思想・信条の自由を侵害する憲法違反の制度だ」と指摘した。

 もちろん、助成金目当ての政党の離合集散は論外だ。しかし、助成金に頼らないという共産党の姿勢は、しんぶん赤旗の読者拡大運動となっているのではないだろうか。市議として職員に押し付けることがあれば、共産党への「政治献金」を押し付けているともいえる。

 山下氏は産経新聞の取材に対し、「党のノルマのためではなく、党の考えを知ってもらうために勧誘している」と強調しながらも「事業収入にもつながり、党の財政にも貢献できる」と打ち明けた。

 佐世保市庁舎内での職員への政党機関紙勧誘は共産市議にとどまらない。

 複数の職員によると、社民党市議による政党機関紙「社会新報」(月額700円)の勧誘も慣例となっていたという。社民市議の永田秀人氏は「産経新聞は評価する新聞ではない。答えたくない」と取材に口をつぐんだ。

(九州総局 奥原慎平)

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