「仁徳天皇陵」初の共同発掘 宮内庁と地元・堺市
更新 sty1810150012
宮内庁は15日、仁徳天皇陵として管理する堺市の大山古墳に関し、保全整備の一環として行う発掘調査を、今月下旬から初めて堺市と共同で実施すると発表した。宮内庁は、陵墓への部外者による立ち入りや調査を「皇室の祖先の墓であり、静安と尊厳が必要」として厳しく制限してきた経緯があり、前例のない画期的な試みとなる。
宮内庁が管理する陵墓は、貴重な文化財でもあり、学会などから外部の知見も調査に取り入れるべきだとの声が以前から上がっていた。宮内庁の担当者は「陵墓は長年、地元の力で守られてきた。より一層適切な管理をしていくため、地域の協力が欠かせないと判断した」としている。
2016年6月、当時の河野太郎行政改革担当相(現外相)が、政府が進める国有財産の開放施策の一環で現地を視察し「墳丘は周濠の水によって少しずつ浸食されている。古墳群を守るためにも墳丘の現状などを調べ、成果を速やかに公表したい」と発言。従来の調査や管理体制に一石を投じたこともあり、宮内庁が堺市と協議を重ねていた。