【学ナビ】女性の学び直し 大学が支援 社会参画に弾み

日本女子大学では、オンラインと対面授業を同時に実施するハイブリッド授業を導入。リカレント教育に取り組みやすい環境作りを実現している(同大提供)
日本女子大学では、オンラインと対面授業を同時に実施するハイブリッド授業を導入。リカレント教育に取り組みやすい環境作りを実現している(同大提供)

 大学が女性の学び直しや再就職を支援する女性のためのリカレント教育が広がっている。人生100歳時代や技術革新、コロナ禍などを背景に、働く意識が変化していることも追い風になっている。就職後に育児などで離職した場合の社会復帰をはじめ、キャリアアップ、リーダー養成など、各大学は独自色を打ち出したカリキュラムで、女性の社会参画を推進している。

多彩な科目を用意

 日本女子大学は平成19年、大学初となる女性のための再就職支援プログラム『日本女子大学リカレント教育課程』を始動させた。公開講座を中心とするリカレントとは異なり、学部の正規課程を受講できる。

 再就職のためのキャリアアップコースは、四年制大学卒業の女性が対象となり、1年2学期制で修了要件は28単位(280時間)以上。英語やITリテラシー、内部監査実務といった多彩な科目を受講できる。

 同大生涯学習センターの坂本清恵所長は、「働く自覚を促すキャリアマネジメントも充実させている。離職期間のギャップを埋め、自身に合った履修と求職につなげることができる」と話す。

 開講から昨年4月までの入学者は645人。受講開始時の年齢は、57・7%が40代という。職歴は主婦が40・2%、続いて非正規社員が32・4%。

 就職率は、同28~30年の修了生の場合は93・8%で、幅広い職種で活躍の場を得ている。

協議会に7大学参加

 100歳時代を迎え、政府は平成30年をリカレント教育元年とし、女性の社会参加を促す再教育に力を入れることを宣言した。

 一方、学びの環境整備への要望は多く、文部科学省『男女共同参画のための女性の学び・キャリア形成支援に関する調査研究報告書』(同年度)では、費用の軽減や短時間で学べるカリキュラム、家族の理解といった課題が浮上している。

 同大リカレント教育課程の茂木知子担当課長は、「企業は職歴を重視する傾向が強く、学び直しが評価されにくい課題も。経済団体や官公庁と連携することでリカレント教育への理解が広がり、より良い再就職を実現できる」という。

 同大では東京商工会議所と連携し、インターンシップや再就職先の提案につなげている。さらに、令和元年にはリカレント教育に取り組む大学が集まり、女性のためのリカレント教育推進協議会を発足させた。生活に合わせて学べるように昼間や夜間・土曜コースを設ける明治大学をはじめ、起業や女性リーダー育成コースがある関西学院大学、地域活性化への貢献も目指す山梨大学など計7大学が参加し、リカレント教育のネットワークを広げている。

 坂本所長は「雇用や就労状況が変化していく中で、学び続けることが重要になってくる。充実した学びとキャリアを応援していく」としている。

「オンライン普及で環境整備」シンポ開催

 女性のためのリカレント教育推進協議会のシンポジウム『コロナ時代のリカレント教育』が2月19日、オンライン開催された。参加7大学が、今年度のウィズコロナにおける教育の取り組みについて紹介した。

 京都女子大学は「外出自粛などによってできた時間を活用し、より多くの授業をとる受講生が増えた」とし、オンライン授業によって、リカレント教育を受けやすい環境ができつつあると分析した。

 また、リモートワークの普及や働き方の見直し、職場の休業などを背景に、転職や学び直しを考える機運が高まっているとの声もあがった。

 関西学院大学は「オンラインの普及と相まって、自分に必要な授業を全国から受講できる」、日本女子大学は「学びの地域格差解消につながる」と指摘した。

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