【羅針盤】グローバル人材の育成を継承 拓殖大学・鈴木昭一学長

鈴木昭一・拓殖大学学長
鈴木昭一・拓殖大学学長

 拓殖大学は明治33年の創立以来、約120年にわたり国際大学のパイオニアとして世界で活躍する人材を送り出してきた。ゼミナールや課外活動、留学を中心とした海外交流も充実し、行動力にあふれた学生・教職員が集う。今年4月に学長に就任する鈴木昭一副学長に、昔も今も変わらない“挑戦する拓大”の独自性について聞いた。(聞き手・宮田奈津子、写真・酒巻俊介)

 --コロナ禍での学長就任となる

 「昨年は新型コロナウイルスの影響で、学生同士がふれあうキャンパスライフが奪われてしまった。しかし、学生がオンラインなどを駆使し、大学生活を充実させるために努力していることは明るい光。教育の質を担保し、授業や課外活動を満足いくものにしていく」

 --15もの外国語教育や多彩な留学制度など国際教育が注目される

 「従来型の留学は中止になったが、授業やゼミナールで海外とのオンライン交流が生まれている。商学部ではタイの大学とビジネス研修を実施。チームで課題解決の討議を実施し、いい刺激になったようだ。コロナ禍において社会は多くの転換を迫られたが、海外との交流のハードルは下がり、学びの可能性は広がっている」

 --文京キャンパスと八王子国際キャンパスに5学部14学科。地域連携も大切にしている

 「文京キャンパスがある東京都文京区とは協定を締結し、都市型課題解決を模索している。八王子市にある八王子国際キャンパスでは、山梨県富士川町での地方創生に取り組んでいる。学生と教職員による全学組織『麗(り)澤(たく)会』や教職員による『オレンジプロジェクト』もあり、大学全体が一体となった地域貢献や国際交流も拓殖大学の特徴だろう」

 --大学とはどのような場所だと考えるか

 「私自身、大学で恩師と出会ったことから会計学を学び、今につながっている。人との出会いで人生は大きく変わる。そういうチャンスが大学にはある。学生はハングリー精神を持って、角があってもいい。学問に対しては、批判的に取り組んでほしい。失敗してもいいから行動してほしい。本学では、そのための仕掛けを数多く用意していく」

 --120周年を昨年迎えた。これからの拓殖大学とは

 「建学の精神でもあるグローバル人材の育成を継承していく。キーワードは、国際協力・社会貢献・人間尊重。いつの時代も変わらず、あまねく世界に行きわたる普遍的な理念だろう」

 --学び続ける学生へのメッセ-ジを

 「学問は先達の財産を引き継いでいくこと。本質をしっかり知る必要があり、知る行為が学問。学問を作り上げてきた過程や苦労を疑似体験し、次につなげる喜びを味わってほしい。今は困難な時代だが、心に残る時代になるかもしれない。不遇だと嘆くのではなく、『こんな工夫をして頑張ってきたんだ』と言えるようになってほしい」

 すずき・しょういち 昭和39年4月、茨城県出身。明治大学経営学部経営学科卒業。同大大学院経営学研究科博士後期課程満期退学。拓殖大学商学部教授、学部長などを経て、同大副学長。今年4月に同大学長就任予定。研究分野は国際会計と財務会計。

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