【入試最前線2021(12)】大学でグローバル人材をめざすには

コロナ禍で欠航が相次ぎ空港に並ぶ旅客機。留学も難しくなった(本社チャーターヘリから、大西史朗撮影)
コロナ禍で欠航が相次ぎ空港に並ぶ旅客機。留学も難しくなった(本社チャーターヘリから、大西史朗撮影)

 大学で英語でのコミュニケーション能力を深め、海外の人とも交流して異文化に触れたい。でも専門的に学びたい分野は他にある…。こうした希望を持つ大学生が増えているという。教育大手「ベネッセホールディングス」の子会社で、大学のグローバル化対応への支援などを行う「進研アド」(大阪市北区)の担当者は「英語での授業を受けたり留学したりしなくても、大学で国際感覚を身に着ける方法がある」というが、どんな方法なのか。

 国際教養大(秋田市)や立命館大グローバル教養学部(大阪府茨木市)など、近年は授業を英語で行う大学や学部が増え、多くは1年間の海外留学を義務付けている。こうしたグローバル人材の育成を前面に掲げる大学は積極的な情報発信を行っており、担当者は「将来、国際的な仕事に就くことを視野に入れている受験生は、詳細をチェックしてほしい」と話す。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い今年度の留学は延期されているが、海外の学生とオンラインで交流し、連携して課題に取り組むといった試みが広まっているという。

 しかし、こうした大学や学部が、学びたい専門分野や通学の可能な大学と一致するとはかぎらない。そこで担当者が勧めるのが、英語による授業や留学制度がなくてもできる「海外からの留学生との交流」だ。

 留学生の比率が高く、かつその留学生が日本人の学生と同じ授業を受けている大学、学部であれば自然と接触の機会が生まれる。グループで課題に取り組む「アクティブラーニング」を導入する授業ならば、より深い交流が求められることになる。

 英語が堪能でなくても心配はいらない。「留学生は日本語を学びたいから、基本的に日本語で話せばいい」。話す中で相手の国の文化を知ることができるほか、「英語を使ってみたら『意外と通じるんだ』という自信にもつながり、意欲もわく」。法学部など留学生の少ない学部もあるが、多くの大学は留学生と交流できるフリースペースを設置している。「英語でアウトプットする機会を、カリキュラムではなく環境として整えている大学はいい大学だと思う」と担当者は話す。

 文部科学省が定める学習指導要領に基づき学びを受ける高校までとは異なり、大学で何をどう学ぶかは、学生自らが選択しなければならない。グローバル化が進展するこの時代、「グローバル教育をおろそかにしている大学はほとんどない」と担当者。「用意されている機会にアクセスするかどうかは、学生次第だ」と話していた。

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