【入試最前線2021(10)】受験生に重要な睡眠リズム

ネコにとっても人間にとっても、ましてや受験生にとっても、睡眠は重要だ
ネコにとっても人間にとっても、ましてや受験生にとっても、睡眠は重要だ

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 「4当5落」という言葉がある。これはかつて、受験生が寝る間を惜しんで勉強することを推奨し、「4時間睡眠なら合格できるが、5時間も寝ていたら落ちる」といった意味だ。ただ近年では、勉強時間を確保するためであっても、必要な睡眠時間を削るべきではないという説が主流。では受験生は、どのように、そしてどの程度眠るのがよいのだろうか。

 国の平成28年社会生活基本調査によると、10歳以上の日本人の平均睡眠時間は7時間40分。都道府県別では、最長の秋田県が8時間2分、最短の埼玉県は7時間31分と地域によってもかなり差があるようだ。

 「睡眠は個人差が非常に大きい。短い睡眠時間で生活できる人と、それがしんどいという人がいる」。精神科医で大阪府医師会理事の阪本栄医師はそう説明する。受験生にとっては「記憶の定着にも睡眠が必要だという研究結果もあり、必要な睡眠時間を削って勉強をしても効率が悪い」という。寝不足で生産性が落ちる「睡眠負債」は29年の流行語にもなった。

 阪本医師によると、近年では不眠症などの睡眠障害が低年齢化しているという。夜遅くまでの塾通いやゲーム、SNSなど、子供たちの生活環境が変わったためだとされる。睡眠時間を削るつもりがなくても、夜になると目がさえて、遅くまで勉強してしまう受験生もいるだろう。

 厚生労働省が26年に作成した「健康づくりのための睡眠指針2014」では、若年世代の指針として「夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ」ことを挙げている。阪本医師も「規則正しいリズムが重要」と強調する。

 リズムを整えるためには、朝の行動がポイントだ。夜なかなか眠れなかった日や休日でも、同じ時間に起きて太陽光を浴び、朝食を食べるといった日課を決めることで、夜眠くなる時間が安定してくる。短時間の昼寝は集中力アップに効果があるが、昼寝が1時間を超えると夜眠りにつきにくくなるなどの影響があり、注意が必要だ。

 夜になると集中力が増す「夜型」の人もいるが、入試が行われるのは日中。阪本医師は「受験生は、数週間前から試験本番の起床時間と同じ時間に起きてリズムを整えるとよい」とアドバイスしている。

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