【入試最前線2021(8)】注目の奨学金「入学前予約型」

前のニュース

 今年の入試は新型コロナウイルスの影響を大きく受けている。受験時の感染予防だけでなく、そもそも経済的な困窮から受験や大学進学自体が危うくなったという家庭もあるかもしれない。だが、国の就学支援制度や各種奨学金、教育ローンなど、お金の問題を何とかする手立てはいくつもある。

 そもそも、大学進学時にはお金がいくら掛かるのだろうか。全国大学生活協同組合連合会「2020年度保護者に聞く新入生調査」によると、出願から入学までに掛かる費用は国公立大学の文系学部に自宅から通う場合が最も安く、平均約135万円。1人暮らしで私立大学の医歯薬系学部に通う場合は約309万円と最も高かった。

 ただ、貯金がなかったら大学に進学できないかというと、そうではない。進学資金の相談などに対応するファイナンシャルプランナーの松本真由美さんは「お金がないことは進学を諦める理由にはならない」と強調する。

 令和2年4月から始まった国の就学支援制度によって、住民税非課税世帯や年収の少ない世帯では、授業料が減免される。さらに日本学生支援機構による返済不要な給付型奨学金も拡充された。松本さんは「入学してからでも申請できるのでまずはチェックしてみてほしい」という。

 さらに、各大学が独自に設けている奨学金もある。最近目立っているのが、出願前に申し込む「入学前予約型」の奨学金だ。いったんは入学金や授業料を納入しなければならないが、短期間のうちに一部が返ってくる形になり、お金がなくても教育ローンなどで対応することが可能だ。

 近畿大は平成30年度から創設し、毎年150人を上限に年額30万円を給付している。受験生は前年の9月に申請し、11月に採用が通知される仕組みで、担当者は「経済的な困難な学生にも、安心して受験してもらえる」と話す。

 また、各家庭で家計を見直すことで学費が工面できる可能性もある。松本さんは「平成30年4月に標準生命表が見直されて平均余命が高くなったこともあり、新しい保険商品は安くなっています」。最新の保険に見直すことで、保障を下げずに保険料を削減できるかもしれない。

 また、住宅ローンについても(1)残高1千万円以上(2)残期間10年以上(3)金利が2%超-なら、借り換えによって数百万円削減できるケースもあるという。

 学費に限定したものではないが、コロナ禍で失業や減収に見舞われた家庭の場合は、さまざまな給付金がもらえる可能性もある。松本さんは「成績が良いことが条件になる場合もあるので、本人が勉強を頑張ることも大切です」と話している。

次のニュース

この記事を共有する