相次ぐ大学入試の方法変更 頭抱える受験生

大学入学共通テストに臨む受験生ら。間隔を空けて座っていた=16日午前、東京都文京区の東京大学(萩原悠久人撮影)
大学入学共通テストに臨む受験生ら。間隔を空けて座っていた=16日午前、東京都文京区の東京大学(萩原悠久人撮影)
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 2月から本格化する国公私立大の個別入試について、文部科学省は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で試験方法などに変更があった大学をまとめ、同省のホームページ(HP)で公表した。情報は今月15日現在で変更があったのは70大学。ただ、その後も試験中止を公表する大学などが出ており、同省が出願開始後は変更を控えるよう求める通知を出す事態となっている。

 同省が公表したリストでは、大学ごとに変更内容を確認できる。面接試験がオンライン方式に変更されるケースが目立ち、ほかに試験会場や出題範囲の変更、追試日程の新設など内容は多岐に及んでいる。

 中には公立の山口東京理科大(山口県)のように個別試験自体を中止とした大学もみられた。同大は大学入学共通テストの成績で合否判定を行う。

 一方、20日のリスト公表後も21日に宇都宮大(宇都宮市)が学力検査の中止を公表。さらに信州大の一部学部や広島大などが今後の感染状況によっては、共通テストの成績のみで選抜する可能性を予告した。

 ただ、既に多くの私立大は出願が始まり、国公立大の個別試験(2次試験)も25日から願書受け付けを始める。そのため、文科省は「大きな変更は受験生に多大な不利益を与える恐れがある」として、出願開始後の大きな変更は原則として控えるよう求めた。変更が相次ぐ中、受験生には各大学のHPで最新の情報を確認するよう呼びかけている。

共通テストで合否判定、試験を午後のみに…

 新型コロナウイルスが各大学による個別入試の通常実施に暗い影を落としている。個別試験を中止して大学入学共通テストの成績による合否判定としたり、受験生が日帰りできるよう試験を午後のみとしたりするなど、実施方法を変更する大学が相次いでいる。今後も影響は広がる恐れがあり、受験生は最後まで情報収集を強いられそうだ。

 「1月14日に栃木県内で緊急事態宣言が出たことを踏まえ、受験生の健康と安全を守ることを最優先に考えた」

 2月25日の前期日程と3月12日の後期日程のいずれも個別の学力検査を中止とした宇都宮大。アドミッションセンター事務室の渡辺文彦事務室長は中止の理由をそう説明した。代わりに共通テストの成績などで合否判定を実施し、その際には重視する教科・科目を学部ごとの方針に合わせて調整、評価するという。

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 今月25日に出願開始を控える中での変更に「直前の決定となって申し訳ない」(渡辺事務室長)と陳謝したが、受験生らの混乱は必至だ。

 東京芸術大(東京都)は音楽学部の複数学科で予定していた副科(専攻以外に履修する楽器など)のピアノ試験を中止とした。担当者によると、複数の部屋で実施するものの、1台のピアノを数十人が入れ代わり立ち代わり弾くことになる上、1人ごとに消毒作業を行う必要がある。「日程の都合上、難しい。それに密集が生じやすい」と説明した。

 一方、東京外国語大(同)は遠方から来る受験生が日帰りできるように、全ての試験科目を午後に実施することにした。その影響で、午前から午後に繰り下げた外国語の試験時間は150分から90分に短縮。問題数は減るが、300点満点の配点は変わらない。担当者によると、例年、受験生の6割が1都3県から来ているが、今回の措置で日帰り可能な受験生は8割程度になる見込みという。

 個別試験をめぐっては、昨年3月に新型コロナの影響で北海道大などが実施を取りやめた。平成23年3月には東日本大震災の影響で多くの東北や関東の国公立大なども中止となった。

 ただ、過去はいずれも私立大入試の多くが終わり、国公立大も受験者数が少ない後期日程の時期だった。今回、前期日程や私立大の個別試験で中止が相次げば影響は大きい。

 北大の入試担当者は「都道府県をまたぐ移動の規制などが強化されれば、実施は再検討する必要がある。ただ、頑張ってきた受験生たちのためにも、このまま前後期日程とも何とか予定通りにやりたい」と話す。

 文科省の担当者は実施の可否について「より急速に感染状況が悪化した場合は(国としての対応が)どうなるか分からないが、現時点では試験をやるということ」と強調した。

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