緊急事態宣言下、午後8時以降の学習どこで 対応分かれる塾・予備校

感染対策の取られた予備校で勉強をする生徒ら=19日、奈良市(須谷友郁撮影)
感染対策の取られた予備校で勉強をする生徒ら=19日、奈良市(須谷友郁撮影)
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 本格的な入試シーズンが到来し、受験を控えた中高生らが追い込み学習に励む中、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が発令された地域の学習塾や予備校が対応に頭を悩ませている。宣言により、特に午後8時以降の不要不急の外出自粛が求められたためだ。目前に迫った入試のサポートを優先して通常通りとするか、それとも-。受験生や保護者の気持ちも揺れている。(木ノ下めぐみ、藤井沙織、地主明世)

周りの目も気になる

 「塾の授業は絶対に受けさせたい。でも感染リスクを考えると行かせてもいいものか…」。中学3年の次男(15)の私立高入試が2月10日に迫っているという大阪府東大阪市の米田多佳子さんは、不安な表情を浮かべた。

 次男が通う塾は昨春の緊急事態宣言時には休止した。そのときの次男は「家には誘惑が多く、全然勉強に身が入らなかった」という。このため塾がやっているのはありがたいが、塾には複数の中学校から生徒が集まることもあり、感染への心配は尽きない。

 近畿では1月末から2月が私立高入試のシーズン。その後、2月中旬から3月にかけて、各府県の公立高入試が始まる。中学生らは今まさに受験直前期だ。

 受験への影響を考慮し、今回の宣言では学習塾の営業自粛は求められていない。ただ、午後8時以降の不要不急の外出を控えるよう広く呼びかけられていることから、SNSなどでは「塾帰りが夜遅くなるのは構わないか」「通塾は不要不急の外出と思えないが周りの目が心配」などと気をもむ書き込みが相次ぐ。

「学び止めない」

 大学入試もこれからが本番だ。16、17日に初めての大学入学共通テストが行われたが、今月下旬から私立大入試がスタート。2月25、26日には国公立大の前期試験が行われる。

 こうした中、大手予備校では対応が分かれている。

 河合塾は、宣言の出た地域では、普段は夜遅くまで開けている自習室を午後8時に閉室。ただ、夜間の授業自体は続行している。駿台予備学校は授業、自習室とも午後8時以降も開室。担当者は「試験が差し迫った段階で、すぐに授業の予定やカリキュラムを変更するのは難しい」と打ち明ける。

 進学塾・学習塾を展開する開成教育グループは12月上旬から、通常態勢をとりながらオンライン授業も選択できるようにしていた。「感染が不安な生徒はもちろん、濃厚接触者や陽性になった生徒が自宅待機中も学びを止めないための対応だ」と担当者。

 一方、東進ハイスクールを運営するナガセは、宣言対象地域の教室について開館時間を午後8時までとした。近畿では直営校が奈良にあり、対象外だが、宣言が出れば時短に切り替える。同塾に在籍し、2月に国立大の2次試験が迫る男子生徒(17)は「春には塾が閉鎖され、全く勉強がはかどらなかったので、塾が開いているだけでも感謝している。考え出したらきりがないので、やりきるしかない」と話していた。

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