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「見せる」補聴器 カラバリ豊富、デコる装着カバーも

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「アート補聴器『十彩』」代表の松島亜希さんらが制作したアートカバー
「アート補聴器『十彩』」代表の松島亜希さんらが制作したアートカバー
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 補聴器がカラフルでファッショナブルになってきている。出荷台数は30年前から倍増しており、背景には一般的なワイヤレスイヤホンの普及もあるようだ。とりわけ最近は新型コロナウイルスの感染拡大でリモート会議が広がるなどし、これまで以上に耳にイヤホンなどをつける機会が増えた。業界団体は「補聴器がもっと普及し、難聴者が暮らしやすくなってほしい」としている。(宇山友明)

■ピンクや緑…多彩な9色

 「ここ10年くらいカラーバリエーションを意識し、増やしています。補聴器を『隠す』ものではなく『見せる』ものにしようという姿勢を大切にしています」

 こう話すのは補聴器メーカー「リオン」(東京)の担当者。同社の主力商品「リオネットシリーズ」はピンクや緑など9色のバリエーションがあり、若い世代から人気を集めているという。「昔の補聴器は肌色で耳にする大きな機械というイメージ。これを変えていきたかったし、イメージが変わることで補聴器をつけるハードルも低くしたかった」(同社担当者)

 補聴器メーカー各社でつくる「日本補聴器工業会」によると、補聴器の国内出荷台数は増加傾向にある。平成2年に約30万台だったのが、令和元年には約61万台と倍以上に増えた。背景には補聴器の性能向上があるようで、かつては大きな雑音が生じるハウリングが気になり装着したがらない人もいたが、最近はハウリングが軽減されるようになったという。

 また、同工業会担当者は「ワイヤレスイヤホンの普及もあって耳に何かをつけていること自体が目立たなくなった。そのため、補聴器を使う人が他人の目を気にするという抵抗感も少なくなった」とも指摘する。

 こうした中で、従来は髪や肌の色に合わせた目立たない色のものが多かった補聴器は多彩に変化。リオン以外にも、補聴器を販売する「ソノヴァ・ジャパン」(東京)が、ワイヤレスイヤホンのように耳の穴に収める高性能の小型補聴器を昨年から販売している。

 同工業会の担当者は「『補聴器がおしゃれなアイテム』というイメージがさらに広がり、聴覚障害者が暮らしやすくなれば」と話す。

■ラインストーンで飾る

 補聴器そのものがおしゃれになっているだけではなく、美しく見せるための装飾カバーも人気だ。「隠すのではなく魅せる補聴器にするアートカバー」を提案しているのはアート補聴器「十彩(といろ)」の代表、大阪府池田市の松島亜希さん(36)。幼少期から補聴器を利用しており、商品開発には「補聴器に対するイメージを変えたい」との切実な思いが込められている。

 カバーは松島さんが発案したものを「アートカバー」という商品名で販売。気分や場面に合わせて張り替えができ、花柄や南国の風景、動物のイラストなど豊富なデザインがそろう。

 きっかけは、松島さんが大学時代、NPOの活動で小学生らと接したときのことだ。子供たちの視線を感じて振り向いたら目をそらされた。子供たちが補聴器を「見てはいけないもの」と認識していることに気づいた。

 垣根を取り払いたいと4年前、洋服やアクセサリーなどに使われる模造宝石のラインストーンで補聴器をデコレーションしたところ、子供らが興味を示してくれた。さらに「スマートフォンのカバーのように補聴器も装飾を付け替えられたら」と思い、東京の補聴器専門店との共同開発で一昨年、装飾カバーを完成させ、商品化した。

 現在は松島さんの思いに共感した難聴者やネイリストら5人とカバーを制作し、販売。利用者からは「外出するのが楽しみになった」「性格が明るくなり人生が変わった」などの声が寄せられているという。

 松島さんは「補聴器を着けて楽しいものだと思えるようにしていきたい」と話している。

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