大切な人の最後のお別れをしたい…コロナ禍でも葬儀はできるの?

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 新型コロナウイルスの感染拡大で、葬儀の在り方が見直されている。遺族や友人、知人らが集まって故人を偲(しの)び、弔う大切な儀式だが、感染リスクを敬遠して火葬のみの「直葬」や「家族葬」などを選ぶ傾向が顕著になった一方で、故人と親交の深かった人々が語り合いながらお別れし、気持ちを整理する機会が失われることに寂しさは残る。感染を防ぎつつ、いかに人生の最後を飾るのにふさわしい式を執り行うのか。感染対策やオンライン葬儀サービスに力を入れる葬儀社セレモニー(さいたま市)を取材し、コロナ禍の葬儀社の選び方や、年末年始に重要性が高まる霊安室の役割を聞いた。

ソーシャル(社会性)の距離を広げない環境づくり

 浦和駅から徒歩約3分に位置するセレモニー浦和ホール。入り口にはアルコール消毒液と、体温を測定するサーモグラフィが置かれ、葬儀の会葬者を迎えていた。広々とした式場に入ると、椅子は前後の座席の会葬者と位置が重ならないよう1列ごとに交互に座席をずらして並び祭壇に向き合う。また、事前弔問や弔問時間の延長などで「密」を回避するようにしている。

 さらに、抗ウイルス機能付き空気清浄機を随所に導入し、会食会場はアクリル板を設置して飛沫(ひまつ)を防いだ。これら施設面の感染対策に加え、「ドアノブや手すりは定期的に消毒する」「ご葬儀の際は窓や扉を開けて換気する」など社内ルールを徹底し、安全な環境づくりに取り組んでいる。

ホール入り口にはアルコール消毒とサーモグラフィを設置(左)し、随所に抗ウイルス機能付き空気清浄機を配置(右)している
ホール入り口にはアルコール消毒とサーモグラフィを設置(左)し、随所に抗ウイルス機能付き空気清浄機を配置(右)している
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 志賀司社長は「必要なのはフィジカルディスタンス(物理的な距離)。新型コロナで人のつながりなどソーシャル(社会性)の距離まで広がらないよう、ご葬儀を安心して執り行える環境を整えた」と説明する。

 新型コロナの感染拡大が顕著になって以降、遺族は難しい判断を迫られている。故人と親交の深かった人を集めた葬儀で送り出してあげたいが、感染リスクを考えると案内するのもためらわれる。結果、「家族葬」や通夜を行わない「一日葬」など規模を縮小するケースが多いという。

 しかし、葬儀は本来、故人がこれまでの人生で出会ってきた人々に死を知らせる社会的な役割を持ち、遺族や友人らが心理的に受け入れる貴重な機会でもある。新型コロナの影響で遺体になっても”会う”のが困難になるいま、最後に顔を拝むこともできない悲しみは大きい。

 このためセレモニーは裏方の社員や機材にも細心の注意を払って、葬儀の施行を支える。遺体搬送を担うスタッフは医療向けのN95マスクやフェイスシールド、防護服などで完全防備。納体袋の顔部分は新型コロナウイルス感染症で亡くなった故人でも顔を見てお別れを言えるように透明部分の“窓”を広げたものを特注した。

新型コロナウイルス感染症で亡くなった故人でも、葬儀で遺族らが顔を見られるよう透明な“窓”を広げた特注の納体袋
新型コロナウイルス感染症で亡くなった故人でも、葬儀で遺族らが顔を見られるよう透明な“窓”を広げた特注の納体袋
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 志賀社長は「対策の水準は葬儀社によって大きく異なる。『3密』を避けられる広い式場を備えているかなどの施設面や、安心・安全なご葬儀の施行を可能にする環境づくりができているかを比べて選んでほしい」と指摘する。

志賀司社長
志賀司社長
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新たな会葬の形「スマートセレモニー」

 感染対策と併せ、6月にスタートしたのがオンラインご葬儀サービス「スマートセレモニー」だ。会葬者は葬家から送られてくる訃報案内に記載されたURLやQRコードをスマートフォンやパソコンで読み込むと、ネット上の葬家ごとの専用ページにアクセスして葬儀中継や故人のメモリアルムービーを閲覧できる。さらに、ページ内で式場への供花や弔電、香典をクレジットカードで決済し、お悔やみの気持ちを届けることもでき、”会葬”の新たな形を提案している。

スマートセレモニーはスマホなどで葬儀中継から弔問・会葬受付、供花・弔電の受付、香典の預かりまで一括して対応する
スマートセレモニーはスマホなどで葬儀中継から弔問・会葬受付、供花・弔電の受付、香典の預かりまで一括して対応する
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 与野ホール(さいたま市)の岩崎真佐美店長は「式場は近親者に限ってご入場いただき、一般のご会葬者はオンラインを中心に執り行うケースや、香典の受け付けや返礼品をスマートセレモニーで対応して約200人がオンライン上でご会葬いただくなどいろいろな利用方法がある」と語る。

 幅広い年齢層が利用できるよう、現場の意見を反映してITに明るくない会葬者が簡単に操作できるよう設計。その成果もあってサービス開始から約半年で全葬儀件数のうち7~8割がスマートセレモニーを利用し、実績は1000件を超えた。利用者からは「亡くなった祖母が大好きだった孫娘は出産直後だったが、ネットで参列できた」(50代女性)、「高齢者施設に入居しているご友人にも父を見送っていただけました」(60代男性)と感謝の言葉が寄せられている。

 志賀社長は「これまでもご高齢の方が遠方からのご会葬が難しかったり、海外赴任で帰国できなかったりするケースがあった。新型コロナが収束しても、ご葬儀の一つの形として定着していくと思う」と見据える。

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休みや火葬場の混雑で長期化

 感染対策に加え、年末年始はいっそう遺族を悩ませる問題がある。葬儀までの期間が長引きがちなことだ。「普段であれば故人様の死去からご葬儀までの期間は5日前後であるが、年末年始は様々な行事や予定からお寺は非常に忙しいうえ、火葬場も混雑し、休みを挟むためにご葬儀まで10日以上かかることもある」と志賀社長は語る。

 このため遺体を安置する霊安室の確保がより重要になる。病院は一時的な安置を想定し、長期の使用が難しい。霊安室を持たない葬儀社も数多いなか、安置の施設が見つかっても面会に制限があったり、殺風景なものだったりと大切な故人を預けるのに適した環境とはいえないケースもある。

 これに対し、セレモニーグループは全ての直営葬儀式場や事業所に霊安室を完備し、運営する25カ所に合計83基の霊安施設を保有し、365日24時間の安置が可能だ。「きれいな霊安室」をテーマに落ち着いた清潔感のある内装に仕上げ、個室がある拠点も徐々に増やしている。

セレモニー浦和ホールの特別霊安室。遺族の心労をいやす落ち着いた雰囲気が印象的だ
セレモニー浦和ホールの特別霊安室。遺族の心労をいやす落ち着いた雰囲気が印象的だ
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 さらに、年末年始は安置の長期化に対応し、霊安室の使用料2日分を無料にするサービス(2021年3月末日まで)を提供。例えば、10日間の安置でも8日分の費用で済み、追加費用が抑えられる。

 志賀社長は「病院の最後の場に間に合わなくても、一刻も早く故人様のもとに駆け付けた方がきれいな場所でお別れできる霊安室にしたかった。年末年始でも安心して故人様をお預けいただける態勢を整え、ご遺族への精神的・経済的なサポートを徹底したい」と話した。

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提供:株式会社セレモニー

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