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【東日本大震災10年へ】南相馬、稲刈り最盛期 東京のファンも作業手伝い 

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稲刈りを行うコメ農家の豊田寿博さん(右端)。首都圏から来た支援者の人たちも手伝った=18日午前、福島県南相馬市(佐藤徳昭撮影)
稲刈りを行うコメ農家の豊田寿博さん(右端)。首都圏から来た支援者の人たちも手伝った=18日午前、福島県南相馬市(佐藤徳昭撮影)

 東京電力福島第1原発事故の影響で一時はコメ作りができなくなった福島県南相馬市で稲刈りが最盛期を迎えている。コメ作りを再開した農家の豊田寿博さん(38)は顧客がゼロになるほどの打撃を受けたが、そのコメの味にほれ込んだ“ファン”の輪が広がっている。18日には、豊田さんのコメ作りを応援する人たちが首都圏から訪れ、稲刈りや畑の草むしりに精を出した。

 南相馬市鹿島区で親子3代でコメ農家を営んでいた豊田さん。有機無農薬のコメ作りに取り組み、震災前は、首都圏などに150以上の顧客がいたほか、食味コンテストで高い評価を受けるなど、おいしいコメとして人気だった。

 だが、平成23年3月11日に東日本大震災と原発事故が発生。コメ作りはできなくなり、避難を余儀なくされた。南相馬市でコメ作りを再開させることを誓い、宮城県の農業法人などで働きながら農業を学んだ。

 28年に試験栽培を行い、再開に向けて安全性を確認し、30年に栽培を再開。今年は昨秋収穫した酒米で初めて日本酒造りにも挑戦。酒の名は地名にちなんで「soma」と名付けた。

 昨夏、南相馬市を中心に行われる伝統行事「相馬野馬追」に訪れた際に、豊田さんのコメを食べた東京都在住の会社員、山名由希さん(26)は、その味に感動。家族や友人に勧め、昨秋は稲刈りを手伝いに訪れた。

 その後も、知人らと東京で豊田さんのコメを食べる会や日本酒を飲む会を開き、今年も田植えや稲刈りに訪れる予定だった。だが、新型コロナウイルスの感染が拡大し、田植えは断念した。稲刈りの時期になってようやく訪れることができた。

 稲刈り後、新米を味わった山名さんは「稲刈りに来られて本当にうれしい。とてもおいしくて、いつもの倍くらい食べてしまいます」と笑顔。豊田さんは「久しぶりに皆さんの顔を見られてうれしい。コメ作りをしていて本当によかったなという気持ちになれる」と話した。(大渡美咲)

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