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【話の肖像画】女流囲碁棋士・謝依旻(30)(11)すごい後輩が次々…励みに

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 《平成29年の女流名人戦三番勝負で藤沢里菜女流立葵杯に敗れ、9連覇でストップ。翌30年は本戦トーナメントで敗退し、挑戦権を獲得できなかったが、31年の第31期三番勝負で、藤沢女流立葵杯への雪辱の機会を獲得する》

 連覇ではないけれど10回目の優勝がかかっていたので、その年は(挑戦権を得る)トーナメントの段階で気合が入っていました。第1局で勝ったので、(タイトルを)取りたい気持ちは当然あった。第2局はいい内容だったのに終盤、逆転されたのが大きかった。気持ちを立て直すのが難しく、第3局も負けてしまった。10回優勝したかったので、残念ですね。

 《藤沢女流立葵杯とともに台頭してきたのが、上野愛咲美(あさみ)女流本因坊だ。17歳だった昨秋、男女の区分がない竜星戦で準優勝した実力者だ》

 みんな勉強熱心。女流棋士が増えたことで競争意識や緊張感のようなものが大きくなってきているかも。みんなが強くなることで、自分も強くなっていけたらと思います。昨年は里菜さん、愛咲美さんと海外での国際棋戦に出場しました。実力がある2人なので、世界で戦うときには安心感のようなものがありますね。後輩だけど頼りになるし、自分も頑張らなきゃ、と。たとえば3対3のチーム戦のときは(同時に)自分も対局しているけど、勝ち抜き戦のときは1人が対局しているのを(別室で)コーチ役を含め、みんなで応援している。熱の入り方はすごいですね。もちろん2人と対局するときは、ベストを尽くします。

 《31年4月には当時10歳の仲邑菫(なかむら・すみれ)初段が、史上最年少でプロになった。目標の棋士に謝六段や藤沢女流立葵杯を挙げる》

 1年目であれくらい勝てる(17勝7敗)のはすごい。当時はまだ10歳ですしね。間違いなく私が10歳のときより、強いです。将来どこまで伸びるか、楽しみですね。アマチュアの頃も強かったので、名前は知っていました。初めて会ったのは、私が審判長を務めた27年の宝塚市での囲碁ガールズフェスタですね。すごいかわいかった。対局中の表情が真剣で、気合が入っているなかにもかわいさがある。本当に小さくて…。

 4月にインターネット対局で初めて対戦しました(謝六段の勝利)。所属が東京と(仲邑初段の)関西で違うので当たる機会は少ないですが、いずれ対局するでしょう。見た目は子供ですが、碁に関しては子供だと思っていません。1人の強いプロ棋士として、(対面でも)対局するでしょう。

 《上野女流本因坊や仲邑初段ら若手に共通するのは、AI(人工知能)搭載ソフトを、囲碁研究に利用していることだ》

 かつては研究会などで棋士が集まって勉強する必要があったのですが、今は家でもAIを利用したりネット碁などで勉強できます。どこでも勉強できるようになったのは、実力をつけるうえで大きいでしょう。私もAIを取り入れて勉強したおかげで、布石段階でのミスが以前に比べたら減ったかな。序盤で形勢を悪くすると中・終盤に盛り返すのがすごい大変だし、そういう碁は通用しなくなっています。「AIの判断が絶対良かった」とは言えないかもしれないですが、プラスになる部分は多いと感じます。(聞き手 伊藤洋一)

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