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執行部批判の依田紀基九段が対局に暫定復帰

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日本棋院の執行部批判をしていた依田紀基九段(左)が暫定的に対局に復帰、白番で着手する。手前は趙善津九段
日本棋院の執行部批判をしていた依田紀基九段(左)が暫定的に対局に復帰、白番で着手する。手前は趙善津九段

 所属する囲碁の公益財団法人日本棋院の執行部に対し、事実無根の中傷を繰り返したとして2月に「対局停止6カ月」の処分を下された依田紀基(よだ・のりもと)九段(53)が2日、一時的に対局に復帰した。処分が取り消されたわけではなく、処分の妥当性については今後、法廷で争われることになる。

 この日、東京都千代田区の日本棋院で行われたのは、第46期名人戦予選の趙善津九段(ちょう・そんじん)九段(49)戦。濃紺のトレーナー姿でマスクを着用して対局場に入った依田九段は、気持ちを落ち着けるように盤上を凝視。隣の席で対局する趙治勲(ちょう・ちくん)名誉名人があいさつ代わりに肩をポンポンとたたいて入室すると、軽く頭を下げた。新型コロナウイルス対策として、他の対局者に「窓を開けたほうがいいんじゃないですかね」と呼びかけると、職員が空調の入れ替えを行っていた。午前10時の開始の合図で一礼して、白(後手)番で勝負に臨んだ。

 2月12日の常務理事会で、「除名」に次ぎ2番目に重い「対局停止(6カ月)」の処分を下された依田九段が対局するのは、2月6日以来。処分が決まった翌13日には第46期天元戦1回戦のため登院したが、同院理事により入室を阻まれた。このあと、第59期十段戦予選(対藤沢里菜女流立葵杯)なども不戦敗となっている。3月20日付の自身のブログでは「色々ありましたし、これからも色々あるでしょうけど対局に向けて精進していきたいと思います。ともかく対局ができることに感謝ですね」と記していた。

 依田九段は昨年6月、ツイッターなどで「特定の(外部)関係者が棋院を牛耳っている」「コンプライアンス上も全然ダメ」など、小林覚理事長ら執行部への批判を開始。棋院側は「事実無根」として警告書を出したが、その後も発信を続けたため、不信感を抱いたスポンサーが支援を取りやめ、タイトル戦が1つ消滅する事態に発展した。

 対局停止処分に不服の依田九段は「到底承服しかねます。法的措置も含めた対応を検討してまいります」と提訴を検討するともに、2月26日に仮処分申請を行っていた。対局停止の妥当性については今後、法廷で争われる見込み。その訴訟が終了するか和解が成立するまでは、対局停止処分の効力を一時停止する-と東京地裁が勧告、3月11日に日本棋院が受け入れた。

 プロ41年目の依田九段は名人、十段などタイトル獲得36期の実績をもつトップ棋士。

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