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【ゴッホを語る】(3)声優 小野賢章さん

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小野賢章さん
小野賢章さん

 「ゴッホ展」の音声ガイドで、ゴッホの弟・テオを演じています。テオが、絵の売れないゴッホの生活を経済的に支え続けたと知って驚きました。家族だからといって簡単にできることではありません。テオには、兄への尊敬や、「売れてほしい」という強い願いがあったのだと思います。

 これまでゴッホには、有名な「ひまわり」や絵の具の厚い塗り方から、情熱的な人というイメージを抱いていました。でも、テオに送られたゴッホの手紙を読み、とても不安定で、繊細な人だったんだなと感じました。テオとゴッホは、手紙のやりとりや絵を通して、すごく分かりあっていたんじゃないかな。ゴッホには絵を描き続けるという目的が、テオにはそれを支え続けて絵を売るという目的があって、それを投げ出さずにやり通した。すごく絆の強い兄弟ですよね。

 「ゴッホ展」は、ゴッホが画風をどんどん変えていくのが分かって面白い。まるで違う人が描いているみたいです。もし作品が売れていたら、あんなに作風を変えなかったのではないかと思います。ゴッホは自分の描きたい絵と、世間から受け入れられる絵を、ずっと模索し続けていたのではないでしょうか。

 自殺を図る最期のときに近づいてくると、何かを悟ったように美しい絵になっていくのが、とても感慨深く、鳥肌が立ちました。特に「糸杉」には、力強さも静けさもあって、見ていてとても不思議な気持ちになります。(藤井沙織)

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