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芥川賞は古川真人さんの「背高泡立草」、直木賞は川越宗一さんの「熱源」に決定

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【第162回芥川賞・直木賞】写真撮影に臨む「熱源」で直木賞を受賞した川越宗一さん(左)と「背高泡立草」で芥川賞を受賞した古川真人さん=15日午後、東京都千代田区(川口良介撮影)
【第162回芥川賞・直木賞】写真撮影に臨む「熱源」で直木賞を受賞した川越宗一さん(左)と「背高泡立草」で芥川賞を受賞した古川真人さん=15日午後、東京都千代田区(川口良介撮影)
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 第162回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は古川真人(まこと)さんの「背高泡立草(せいたかあわだちそう)」(すばる10月号)に、直木賞は川越宗一さんの「熱源」(文芸春秋)にそれぞれ決まった。

 芥川賞の古川さんは昭和63年、福岡市生まれ。福岡県内の高校を卒業後、国学院大学文学部に進学。21歳のときに同大を中退し、平成28年に新潮新人賞を受けた「縫わんばならん」で作家デビューを果たした。芥川賞候補は今回が4回目。

 受賞作は、荒れ放題となった先祖の家の草刈りのために、地方の島を訪れた親族の姿を方言を駆使して描く。江戸期ににぎわった捕鯨の話など、島を往来した人々の歴史を随所に挟み、豊かな生の営みと分厚い時間の層を浮かび上がらせる。

 芥川賞選考委員の島田雅彦さんは古川作品について「時空を超えたエピソードを織り込みながら、土地に根付いた歴史的な重層性を巧みにすくい上げている。語り口も以前より読みやすくなっていた」と評した。

 直木賞の川越さんは昭和53年、大阪府生まれ。京都府在住。龍谷大学文学部史学科中退。平成30年に「天地に燦(さん)たり」で第25回松本清張賞を受賞しデビュー。2作目の本作は第10回山田風太郎賞にもノミネートされている。

 受賞作は、樺太(現サハリン)を舞台に、アイヌのヤヨマネクフと、ポーランド人のピウスツキが、強者の文明の中を漂いながら、懸命にアイデンティティーを模索する姿を描く。実在の人物や史実をベースにした歴史小説。

 直木賞選考委員の浅田次郎さんは川越作品について「近年まれに見る大きなスケールで小説世界を築き上げている。登場人物も生き生きと魅力的に描かれている。異民族についての解釈も優れている」と評した。

 贈呈式は2月下旬、都内で開かれる。賞金は各100万円。

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