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分化iPS細胞の一部にがん化に関連する遺伝子異常発見 京大iPS研のストック事業で

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 人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を再生医療用に備蓄し、研究機関などに提供する京都大iPS細胞研究所の「ストック事業」で、出荷されたiPS細胞を他の細胞に分化させた際、一部の細胞でがん化に関連する遺伝子異常などが見つかっていたことが8日、同研究所への取材で分かった。異常のあった細胞は患者には使われていない。同研究所では「どんな細胞も培養や分化の過程で異常は起こりうる」と説明している。

 同事業では、健康な人の血液などから作った拒絶反応が起きにくい型のiPS細胞を、同じ提供者から同時に作製された「細胞株」単位で備蓄し、研究機関や企業に提供している。提供を受けた各機関は、iPS細胞を目的の細胞に分化させて再生医療に利用する。

 今回、平成27年8月以降に提供された27株のうち、少なくとも2カ所の研究機関に出荷された2株から分化させた細胞の一部で、がん化に関連する遺伝子異常や染色体異常が確認されたという。

 同研究所の担当者は「出荷時に細胞に異常はなかった。移植する分化細胞の段階で丁寧に試験をして使っていくしかない」と説明している。

 ストック事業は、文部科学省の再生医療に関するプログラムの一環として25年に開始。山中伸弥所長らは大学での基礎研究との両立は困難として、30年12月に事業を外部移管する方針を表明し、昨年9月に事業を進める一般財団法人を設立した。

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