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放鳥 トキ10歳の壁と深まる謎 新潟県佐渡島

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早朝の枯れ木で翼を休めるトキたち。羽が生え替わり、1年で最も美しい季節を迎えている=新潟県佐渡市(キヤノンEOS1DX MarkII 600mm、大山文兄撮影)
早朝の枯れ木で翼を休めるトキたち。羽が生え替わり、1年で最も美しい季節を迎えている=新潟県佐渡市(キヤノンEOS1DX MarkII 600mm、大山文兄撮影)
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 新潟県佐渡島でトキが絶滅し、中国から譲り受けた子孫10羽が放鳥されてから11年が過ぎた。これまで計364羽が放鳥されたが、地道なモニタリング調査によって、トキの生態が徐々に解明されてきた。

 放鳥トキの生存率は飼育下と異なり、10歳を超えると大きく減少するという。

 環境省によると、平成29年からの3年間、10歳を超えた放鳥トキ6羽が次々と死んでいる。多くが毎年繁殖に成功していた雄雌で、優秀な個体だった。

 一方で数値では解明できない“異変”がこの冬観察されている。初放鳥からモニタリングを続ける国指定鳥獣保護区管理員の近藤敬一さん(64)によると約60羽を観察したある「ねぐら」が翌日はもぬけの殻だったことがある。「一夜にしてどこかに消えてしまった」という。

 考えられるのは「ねぐらに人が近づいた」「猛禽(もうきん)がねぐらに入り込んだ」か、いずれも推測の域をでない。

 これまでにも風向きなどの気象条件で一時的にねぐらを変えることはあった。近藤さんによると「現在でも日ごとに増減を繰り返すなど、顕著な動きが続いている」という。

艶やかなとき色の翼を羽ばたかせて飛翔(ひしょう)する2羽のトキ(大山文兄撮影)
艶やかなとき色の翼を羽ばたかせて飛翔(ひしょう)する2羽のトキ(大山文兄撮影)
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 佐渡とき保護会会長の土屋正起さんは「人間は安易に理由をこじつけたがるが野生下の生態解明はほんの僅かにすぎない」と考える。

 島内には現在約430羽が生息する。その半数以上の約250羽程度が野外生まれと推定されている。

 生息数が増加し、放鳥トキと野生生まれとの世代交代が進む今後、解けない謎はさらに深まっていくのかもしれない。(写真報道局 大山文兄)

 掲載写真を実費でお分けします。産経ビジュアル03・3275・8775(平日の午前11時~午後6時)。

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