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iPSで網膜色素変性症を治療 神戸市立病院が計画申請

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 人工多能性幹細胞(iPS細胞)から目の網膜のもとになる細胞を作り、「網膜色素変性症」という難病の患者に移植する臨床研究について、神戸市立神戸アイセンター病院は9日、大阪大の有識者委員会に計画の審査を申請したと発表した。妥当と認められれば厚生労働省の承認を経て、来年にも移植を行う見通しだ。

 網膜色素変性症は視野が狭くなり、視力の低下や失明につながる進行性の病気。目が感じた光を電気信号に変える網膜の視細胞に異常が生じて起きる。遺伝的な要因が関係しているが不明な点も多く、根本的な治療法は確立されていない。国内患者数は約4万人で増加傾向にある。

 計画によると、対象は、20歳以上の重い患者2人。京都大が健康な人から作って備蓄しているiPS細胞を使い、視細胞のもとになる細胞を作製。これを培養してシート状に加工し、患部に移植して正常な視細胞に成長させ、症状の改善を目指す。移植後、1年間にわたって経過を観察し、安全性や有効性を確認する。

 計画はアイセンター病院の高橋政代研究センター長が主導。同病院には計画の審査機関がないため、阪大に申請した。

 高橋氏は「加齢黄斑(おうはん)変性」という網膜の別の病気の患者を対象に、iPS細胞を使った世界初の移植を平成26年、理化学研究所のプロジェクトリーダーとして行っており、今回は2つ目の病気になる。

 高橋氏は講演などで「iPS細胞を使った再生医療を、さまざまな病気の治療に早くつなげていきたい」と話している。

 iPS細胞を使う再生医療の研究は、ほかに京大がパーキンソン病、阪大が目の角膜の病気でそれぞれ移植を実施。阪大の心不全や京大の再生不良性貧血、慶応大の脊髄損傷の治療計画も厚労省に承認され、実施の準備が進んでいる。

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