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【ノーベル賞’19】吉野さん似顔絵は「自信の1枚」 担当のスウェーデン人アーティスト

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ノーベル賞受賞者の発表に合わせてニクラス・エルメヘードさんが描いた吉野彰さん(本人提供)
ノーベル賞受賞者の発表に合わせてニクラス・エルメヘードさんが描いた吉野彰さん(本人提供)
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 【ストックホルム=桑村大】毎年10月、ノーベル賞の受賞者発表でノーベル財団公式サイトに掲載される受賞者の似顔絵は、スウェーデン人アーティストのニクラス・エルメヘードさん(42)が手がけている。10日(日本時間11日未明)に化学賞を受賞する旭化成名誉フェロー、吉野彰さん(71)の絵も担当。「リチウムイオン電池は革命的な発明。描くことができて光栄だ」と受賞をたたえた。

 「印象的だったのは、逆立った髪の毛と角張った顎のライン。髪形を特徴的に描き、顔のしわも金箔(きんぱく)を使うことでシンプルに表現した。自信作の一枚だ」

 ストックホルムのノーベル博物館に掲げられた吉野さんの似顔絵の前で、笑顔を見せる。これまでと同様、事前に入手した顔写真をもとに、黒のアクリル絵の具と金箔のみで特徴を最大限に引き出した。

 ただ、吉野さんといえば笑顔が印象的だが、似顔絵はどこか改まった面持ち。「似顔絵に表情が付くと本来の特徴が消えてしまうから、参考にする写真はなるべく無表情で自然体のものを選ぶんだ」と説明する。

ノーベル化学賞の吉野彰さんの似顔絵を描いた画家のニクラス・エルメヘードさん=12月2日、スウェーデン・ストックホルム市内のノーベル博物館(桑村大撮影)
ノーベル化学賞の吉野彰さんの似顔絵を描いた画家のニクラス・エルメヘードさん=12月2日、スウェーデン・ストックホルム市内のノーベル博物館(桑村大撮影)
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 ノーベル財団の公式サイトはかつて、発表時に似顔絵ではなく写真を掲載していたが、2012年に財団から依頼を受けて携わり始めた。当初は財団の公式色で、スウェーデン国旗の色でもある青と黄を使用。似顔絵は多くの海外メディアに使われるなど評判を呼んだ。昨年からは財団の方針に沿って金と黒を使用している。

 受賞者の写真をもとに各約2時間かけて完成させるが、制作に取り掛かる時期など詳細は「ノーベル賞の数ある秘密事項のうちの一つ」と笑顔ではぐらかす。

 12年に受賞した山中伸弥さんら、これまで8人の日本人受賞者も描いた。昨年の本庶佑(ほんじょ・たすく)さんは「ヘアスタイルがすてきで、クールな印象をうまく落とし込めた」。一方、似顔絵を書き始めた当初に手がけた山中さんは制作時間が数分に限られ、「もっと知的に描きたかったが、かなわなかった」と明かす。

 最近は会員制交流サイト(SNS)の普及で、受賞者発表と同時に、似顔絵が世界中に届けられる。「多くの人に見てもらえてとてもエキサイティング。これからも似顔絵を通じて偉大な研究者らの業績を紹介したい」と意欲を語った。

昨年の受賞者、本庶佑さんの似顔絵(ニクラス・エルメヘードさん提供)
昨年の受賞者、本庶佑さんの似顔絵(ニクラス・エルメヘードさん提供)
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