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【話の肖像画】マンガ家・永井豪(73)(1)仏から勲章を授与

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フランス政府から授与された芸術文化勲章シュバリエを胸に(酒巻俊介撮影)
フランス政府から授与された芸術文化勲章シュバリエを胸に(酒巻俊介撮影)

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 《7月5日、フランス政府から芸術文化勲章「シュバリエ」が授与された。1957年に創設された勲章で、日本人では歌舞伎俳優の市川海老蔵、映画監督の北野武、漫画家では松本零士、大友克洋らが受章している》

 叙勲について、事前に聞いていなかったんですよ。日本文化を紹介する欧州最大規模の「ジャパンエキスポ」が今年、20回目の開催だった。「節目だから来てほしい」と言われていて2008年以来、久々に行ったんです。取材会などがあり、次の会場へ移動する前にトイレに寄って出てきたとき、事務局の方に「勲章もらえることになりました」と告げられて…。どれほどすごいものか、理解していなかった。

 ジャパンエキスポの会場で、デビルマンやキューティーハニーなどの(その場で描く)ライブドローイングを終えたところで、勲章を着けてもらった。大使館などで授与されることが多いらしいけど、1千人収容の会場だったので熱狂してくれてね。事前にフランス語であいさつを教えてもらっていたので、その通りに話したら、またワ~ッと大拍手。どうやら“フランス大好き”のようなことを言ったみたい。フランスで1978年から繰り返しテレビ放映された「ゴルドラック」(原作のアニメ「UFOロボ グレンダイザー」の現地での題名)のことを好きでよかった-とも思ってくれたよう。自分ひとりの勲章じゃない。アニメはみんなが力を合わせて作ってヒットにつながる。「グレンダイザー」は40年以上前の作品で、亡くなったスタッフもいるが、彼らにも喜んでもらえたらいいですね。

 《東京・上野公園内にある上野の森美術館で14日から「画業50年“突破”記念 永井GO展」が始まる(29日まで)。昨年の大阪、今夏の金沢に続く開催だ》

 目の前に迫る締め切りを一つ一つ片付けることだけでした。月並みだけど「もう50年たったのか」と。時間との戦いなので、いま見ると「デッサンが崩れているな」と思う絵もあるが、それも足跡。展示会ではいろんな状況で描いてきた作品を感じていただければ。生原稿のほかにもラフスケッチやプライベートで描いたイラストなど、これまで目に触れる機会のなかったものを出すことができた。マンガは時間経過を演出しなくてはいけないので、カメラワークのようにアップにしたり、ロングにしたりしている。一方でイラストは、1枚にどれだけ要素を詰め込むかが勝負。広い美術館でやるからと、大きな作品も新たに描いた。見応えあるはずです。(聞き手 伊藤洋一)

【プロフィル】永井豪

 ながい・ごう 昭和20年、石川県輪島市生まれ。東京都立板橋高卒業後、漫画家の石森(のちに石ノ森)章太郎のアシスタントをへて42年に「目明しポリ吉」でデビュー。「ハレンチ学園」「キューティーハニー」「マジンガーZ」など多くのヒット作を送り出し、現在は「デビルマンサーガ」(ビッグコミック)を連載中。平成30年に日本漫画家協会賞文部科学大臣賞を受賞。本名・永井潔(きよし)。

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