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全国戦没者慰霊祭 3世代で参列 佐野幸宏君(9)「ひいおじいちゃんの気持ち知りたい」

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最年少献花補助者の佐野幸宏君=15日午前、東京・日本武道館
最年少献花補助者の佐野幸宏君=15日午前、東京・日本武道館
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 15日に行われた全国戦没者追悼式。参列者に花を手渡す「献花補助者」の中で最年少だった小学3年の佐野幸宏(たかひろ)君(9)=大津市=の曽祖父、隆之さん=当時(30)=は昭和20年6月、フィリピン・ルソン島で海軍水兵長として戦死したと伝えられる。ただ、資料がほとんど残されておらず、犠牲になったときの状況さえ判然としない。

 「ひいおじいちゃんがどんな気持ちで戦争に行って、そのとき、どんなことを思ったのか知りたい」

 幸宏君はこんな気持ちを抱え、父の光宏さん(45)、祖父の宏之さん(75)=富山県高岡市=の3世代で全国戦没者追悼式に臨んだ。

 写真でしか知らなかった曽祖父。追悼式に参列したことで、前よりもっと身近に感じるようになった。「ひいおじいちゃんに一度会ってみたかったという思いが強くなりました」と語った。

 小学校ではまだ戦争について習っていない。だが、終戦前後を描いた映画「火垂るの墓」を見ているし、戦争の本を読もうとしたこともあった。当時のことを理解するのは難しい。それでも「僕は戦争を知らないけれど、食べ物がなかったり、住むところがなかったり、大変だったんだろうな」と思いをはせる。

 宏之さんは今年3月、フィリピンを訪れ、鎮魂の祈りをささげてきた。「戦争がなければ父もいただろうし、私の人生も変わっていたかな。父の愛を受けたかった」と漏らす。生まれた翌年に亡くなった父との思い出がないことに、さみしさを覚えてきたという。

 今回、宏之さんが幸宏君を追悼式に誘った。「3世代で参列できたことは幸せでした。戦争は絶対に風化させてはいけない。怖いものだということを息子、孫にもずっと伝えていきたい」。遺族が高齢化する中、平和への思いを家族に託した。

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