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【主張】五輪の暑さ対策 観客も主体的取り組みを

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 暑い日が続く。来年の同時期に開催される東京五輪・パラリンピックも「猛暑の大会」を覚悟しなければならない。

 暑さ対策では、マラソンのスタート時間を午前6時とするなど選手に配慮した措置が目につく。対策が本当に必要とされるのは鍛え抜かれた選手ではない。約1千万人と見込まれる観客や約11万人のボランティアだ。大会組織委員会は情報提供を徹底し、救護・医療の備えにも万全を期してほしい。

 気象情報会社「ウェザーニューズ」の近年のデータによると、東京五輪が開かれる7月24日~8月9日は、東京都内の最高気温の平均値が32・2度という。「災害級の暑さ」と言われた昨年は、観測史上初めて最高気温が40度を超えた。大会が危険と隣り合わせであることは間違いない。

 組織委は、熱中症の危険度を数値化した暑さ指数(WBGT)を観客に発信する。ビーチバレーのテスト大会が行われた7月25日には、競技会場でWBGTが「運動は原則中止」となる31度を超えている。五輪本番では、場所によって観戦を禁じる措置もためらってはなるまい。

 競技会場では、入場前にチケットを確認する地点にテントや大型冷風機を設置し、保冷剤の配布なども行う予定だ。

 飲料水などを含む観客の手荷物は、治安上の観点から制限せざるを得ない。観客を危険にさらさないためにも、行列での滞在時間を短縮するなど、さらなる運営の効率化を進めてほしい。

 組織委は来年5月に、チケット購入者に対して電子版ガイドブックの配信を予定している。海外からの観客への情報発信も安全度を高める上で必要だろう。

 その一方で、観客にもできることがある。手荷物検査場で持ち物を事前にまとめておけば、待ち時間は減らせる。空腹や睡眠不足のまま観戦するのは、危険この上ない。的確な情報発信は暑さ対策の命綱だが、観客の主体的な取り組みも欠かせない。

 訪日外国人は、湿度の高い日本の夏を「自国より暑い」と感じる傾向がある。競技面で対策が進めば、日本勢が五輪本番でも優位に立てる。日本陸連はマラソンや競歩の選手を対象に、競技中の発汗で失われる水分量や成分を給水で補う対策を研究している。他の屋外競技でも応用できるはずだ。

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