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【フェルメール事典】第3部(1)「宗教画」最上のジャンル

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ヨハネス・フェルメール《マルタとマリアの家のキリスト》1654-1655年頃スコットランド・ナショナル・ギャラリーNational Galleries of Scotland, Edinburgh. Presented by the sons of W A Coats in memory of their father 1927
ヨハネス・フェルメール《マルタとマリアの家のキリスト》1654-1655年頃スコットランド・ナショナル・ギャラリーNational Galleries of Scotland, Edinburgh. Presented by the sons of W A Coats in memory of their father 1927

 市民の暮らしを切り取る風俗画の傑作を残したフェルメール。だが「マルタとマリアの家のキリスト」にみられるように、画家としてのキャリアは宗教画から始まった。

 当時の欧州では絵画にヒエラルキーがあった。トップは宗教画を含む歴史画で、次に王侯貴族らの肖像画、風俗画、静物画、風景画の順。初期には歴史画の中でも最高位にある宗教画を描いたフェルメールだが、ほどなく風俗画に舵を切る。「取り持ち女」はその過渡期とみられる作品だ。

 17世紀のオランダは王侯貴族ではなく市民が中心の共和国で、美術市場では家に飾るための風俗画や風景画が求められた。信仰の中心であったプロテスタントは偶像崇拝を禁じ、宗教美術にも厳しい態度をとっていたため、教会から絵の依頼がくることもない。画家は需要の高い風俗画を描かなければ、生計を立てることが難しかったのだろう。

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 フェルメール作品に登場する装飾品や楽器、色など、キーワードからその魅力を解き明かします。

 【ガイド】「フェルメール展」 大阪市立美術館(同市天王寺区)で5月12日まで。入館料は一般1800円など。問い合わせは06・4301・7285(大阪市総合コールセンターなにわコール)。

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