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【防災その先へ】複合災害に備え、先見越した対策急務

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 なぜ今、防災なのか。「想定外」の災害が頻発する昨今、日本列島を取り巻く気象のバランスは崩れつつある。次に何が起こるのか、先を見越した対策が喫緊に求められる時代になっているからだ。

 「明日の予想最高気温は、東京と名古屋で44度、大阪で43度、札幌でも41度」「最大瞬間風速90メートルの竜巻のような台風が接近しています」。気象予報士が淡々とした口調で夏の予報を告げる。

 地球温暖化対策が進まなかった場合の未来を描いた「2100年未来の天気予報」の一場面だ。環境省は国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のシナリオに基づき、テレビの天気予報番組をイメージした動画を作成、ウェブサイトで公開している。

 「今、自然災害のリスクは過去とは全く異なるレベルにきている」。気象庁異常気象分析検討会会長を務める東京大の中村尚教授は指摘する。

 豪雨の「燃料」となる大気中の水蒸気は、気温が1度上昇すると7%程度増加する。日本近海の温暖化により、この「燃料」が増えたことが、近年の局地的大雨の増加を引き起こしている。

 特に怖いのが梅雨の時期。水蒸気を大量に含む熱帯からの気流が、日本近海からの供給も受けつつ梅雨前線に流れ込み、積乱雲が異常発達する。昨年7月の西日本豪雨では西日本へ過去60年で最大級の水蒸気が流れ込んでいた。

 熱帯の海上で発生した台風が、強い勢力を保ったまま「スーパー台風」として日本列島に接近・上陸するケースの増加も今後見込まれる。中村教授は昨年の豪雨・猛暑の後に、台風や地震などの災害が立て続けに起きた点に着目。「連鎖的に災害が起きる『複合災害』への備えが急務だ」と警鐘を鳴らす。

 人的被害以外での影響も考えなければならない。昨年9月の台風21号では、損害保険金の支払額が国内の風水害で最高額に達した。京都大防災研究所の森信人教授は「経済や物流が発達した現代の災害リスクを正しく把握すべきだ」と訴えている。

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