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高い購買力・情報発信力…企業が熱視線 共働き高収入夫婦「パワーカップル」

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 共働きで高収入の夫婦を指す「パワーカップル」という言葉を聞く機会が増えてきた。全世帯に占める割合は1%程度と少数だが、高い購買力と新しい物への感度、情報発信力の高さから、さまざまな企業が有力なターゲットとして注目している。三菱総合研究所が行った「パワーカップル」についての調査からは、「時短」「ワークライフバランス」といったキーワードも見えてきた。(加藤聖子)

 時代をリード

 三菱総研の定義では、「パワーカップル」は共働きで、夫の年収が600万円以上、妻が400万円以上で世帯年収が1千万円以上の夫婦を指す。

 同じ世帯年収1千万円以上でも、夫が1人でほとんどを稼ぐ家庭と比べると、パワーカップルの月間消費支出総額は約1・4倍も多いという。調査会社「エム・アール・アイ リサーチアソシエイツ」のアナリスト、小川歌織さんは、「同じ世帯年収でも2人で稼いでいるほうが、万一、どちらかに何かがあっても安心という感覚があり、消費意欲も増すのではないか」と分析する。

 三菱総研の調査をひもとくと、夫婦ともに管理職など、社会的地位が高いケースが多かった。会員制交流サイト(SNS)での情報発信に積極的で、新商品に対する感度も高い。主にネットユーザーなど人々の購買の意思決定に影響を及ぼす「インフルエンサー」の役割を担っていることが分かってきた。

 時短、外注消費

 パワーカップルはどんなものに興味を持っているのか。小川さんは「『時短、外注』がキーワード」と指摘する。

 特に注目されているのが住宅市場だ。住友不動産の広報担当者は「パワーカップルは、時間を合理的に使いたいという意向が強い。職場、住居、子供がいる場合は保育園などの施設-の3点のトライアングルを小さくしたいと望まれる」と話す。

 「通勤に時間をかけず、自宅の近辺で外食ができ、総菜などを購入できる店があること。また、ハウスキーピングなどのサービスを享受しやすい都心の物件に人気が集まる」という。実際、都心に比較的近い同社のマンション「シティタワーズ東京ベイ」(東京都江東区)などは、購入者の約半数がパワーカップルとみられる。

 他にも、多少値が張っても時短につながる商品やサービスのニーズが高くなっている。例えば、パワーカップル妻の「カット野菜など下ごしらえの済んだ食材を利用する」率は27%と、既婚者妻の全体平均と比べて10ポイントも高い。

 自分でやるべきだとされがちな掃除など、家事の外注をいとわないのも特徴の一つだ。

 ダスキンが展開する家事代行サービス「メリーメイド」の広報担当者は、「パワーカップルの利用は多く、1~2週に1回の定期利用が最多。自分の時間をうまく使いたいと利用される。最初は他人を家に入れることに抵抗がある方もいるが、慣れてくると、なるべく任せてしまおうという意識に変わってくる」と話す。小川さんは「パワーカップルは管理職も多く、自分が必ずやらなければならないこと以外は、積極的に人に任せる発想を持っているのでは」と分析する。

 仕事以外も充実

 パワーカップルは仕事一筋のイメージを持たれがちだが、実際はワークライフバランスを重視し、余暇を充実させるためにはお金を惜しまないという様子も浮かんでくる。

 調査では、友人と余暇を楽しむ▽ホームパーティーを開く▽海外旅行に行く-といった項目は、既婚者全体の平均を大きく上回った。

 また、将来への備えも抜かりない。「フィットネスクラブに通う」は既婚者の全体平均が13%のところ、パワーカップルは21%。マネーセミナーへの参加や専門家へのライフプラン相談などの割合も平均を倍以上上回り、健康面や経済面での備えにも関心が高いことが見て取れた。

 小川さんは「パワーカップルは日々の忙しい生活を工夫してやりくりしつつも、オフの日は家族や友人と過ごす時間を重視し、将来も見据えた“賢い消費”をしているのが特徴。今後ますます世間への影響力が増すだろう」と予想している。

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