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先生は「AIロボ」英語学習、小中学校で導入広がる

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AIロボットに向かって英語で話しかける生徒ら=15日午後、京都市左京区の同志社中学校
AIロボットに向かって英語で話しかける生徒ら=15日午後、京都市左京区の同志社中学校

 英語学習はロボットにお任せ-。全国の小中学校で、英語の授業に人工知能(AI)を搭載したロボットを活用する動きが広がっている。会話の機会が増えて子供の意欲が高まる一方、教員の負担軽減といった効果も表れ始めている。小学校での英語教育の本格導入が2年後に迫る中、専門家は「導入を加速していくべきだ」と話す。(浜川太一)

 15日午後、京都市左京区の同志社中学校。1年の生徒18人が、机に置かれた小型ロボット(高さ約20センチ)と向き合っていた。

 女子生徒が「Which season do you like?(どの季節が好きですか)」と話しかけると、ロボットが「I like fall(秋が好きです)」と応じた。ロボットの流暢(りゅうちょう)な発音に、「とてもわかりやすいし、何度でも尋ねられるので安心」と生徒から笑みがこぼれた。

 同校では実践的に英語を学んでもらおうと、2年前から全国で初めて英語学習用のAIロボット「Musio X(ミュージオ エックス)」を導入した。

 ロボットはAI開発を手がける米国企業「AKA」が作製し、1台約10万円。米のテレビドラマや英語教材から数百万もの会話データをAIに学習させており、例文の会話練習だけでなく、自由な対話も可能だ。

 同校の授業で実際に使い始めて約1年半だが、英語担当の反田(たんだ)任(たかし)教諭(59)は「人前では恥ずかしがる生徒たちが、自発的にロボットと会話するようになり、英語の発話量が大幅に増えた」と効果を実感する。さらに、ロボットの存在は「私の分身が複数いる感覚」(反田教諭)で、以前よりも生徒一人一人に目を配ることが可能になったという。

 ロボットに各生徒の名前を登録することで、発音の正確さや英会話能力をロボットが採点・管理できる機能もあるといい、AKA社日本法人の生松(おいまつ)研都さん(24)は「教師の採点作業が不要なので、業務の負担軽減にもつながる」と話す。

 同社によると、現在、公立校を含む全国の小中学校や大学約50校がMusio Xを導入。近年は活用を検討する自治体からの問い合わせも増えているという。次期学習指導要領に基づき、平成32年度から小学3~6年で英語教育の本格導入を控えており、教育現場では今後、ロボットの活用がさらに広がると予想される。

 多くの小中学校では、実践的な会話を学べるとして外国語指導助手(ALT)を採用しているが、将来的にはロボットに取って変わる可能性もある。

 英語教育のあり方に詳しい大阪樟蔭女子大の菅(かん)正隆(まさたか)教授(60)は「ALTの1人あたりの人件費(年間約500万円)が教育財政を圧迫している自治体もある」と指摘した上で「ロボットはALTよりも低予算で、機能も年々進歩する。将来はALTが不要となる可能性もある」と話している。

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