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改正文化財保護法成立 地方の訪日外国人増へ 農山漁村も観光資源に   

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 地域の文化財をまちづくりに生かす市町村への支援を盛り込んだ改正文化財保護法が1日、参院本会議で可決、成立した。支援対象を個別の国指定重要文化財などの修理・公開から、未指定も含め一体的な地域の文化財活用に拡大。過疎化の進む集落や宿場町などを収益性のある観光資源として再生し、次世代へ継承を図る狙いがある。

 改正法は、地域の歴史や生業を示す建物や習俗などをまとめた地域計画(5~10年)を市町村が作成し、国が認定する制度の創設が柱。計画には、地域の将来像と実現に必要な体制整備などを記載する。平成31年4月の施行に向け、文化庁は認定する計画への財政支援の詳細を検討する。

 現行法は重要な建造物や祭礼などを国が指定。現状変更を規制する一方、修理などを補助してきた。だが、少子高齢化で古民家の空き家が急増するなど、個別の保護では景観や祭礼の維持が難しくなっていた。

 改正の背景には、政府が「2030年の地方の外国人宿泊者を延べ1億3千万人とする」との目標を掲げた平成28年3月の観光ビジョンがある。地方で「日常的に外国人旅行者をもてなす」とし、文化財を観光資源と明記。各省庁による景観整備や移住促進など多様な支援策を示していた。

 改正法では文化財の専門職だけでなく、まちづくりなどの部局や民間団体も地域計画を共有できるようにして連携を促す。

 ただ、分野を超えた連携には課題もある。菊地淑人・山梨大大学院准教授(文化資源学)は「各省庁の補助事業に関係する自治体側の部局が異なるため、組み合わせて活用するには各分野の施策を大局的に動かす人材が必要だ。やる気のある人材の有無で、自治体間の差が生じる可能性がある」と指摘している。

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