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障害者の就労支援へIoTなど活用 作業手順をスライドショーに

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障害者の就労支援へIoTなど活用 作業手順をスライドショーに

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「だれでもワークプロ」の画面。「赤いバケツには汚れたダスターを入れます。ここに入っているダスターでテーブルやいすをふいてはいけません」との文字も入る 1/3枚

 誰もが活躍できる社会を目指す「1億総活躍社会」。女性も高齢者も障害のある人も、それぞれが自分の力を発揮できる雇用環境の整備に関心が高まっている。その一環として技術革新が進むのが、障害のある人が効率的に仕事を行う機能を備えた「障害者の就労支援機器」。IT(情報技術)やIoT(モノのインターネット)など最先端の技術が活用されている。(服部素子)

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 昨年12月、大阪市中央区で開かれた障害者の自立支援機器を紹介する「シーズ・ニーズマッチング交流会」。「就労場面における自立支援機器」をテーマに、科学技術を応用した福祉用具の開発・情報提供などを行う公益財団法人「テクノエイド協会」(東京都新宿区)が開いた。

 体に障害のある人の動きやすさを追求した多機能電動車椅子や歩行アシストスーツなどとともに関心を集めたのが、モバイル端末を利用した就労支援機器だ。

 ソフトウエア開発の「マイクロブレイン」(さいたま市)が手がける「だれでもワークプロ」は、掃除やクリーニング、菓子・パン製造などの作業手順をスライドショー形式で見せたりして、知的・精神障害者の作業効率アップに活用するiPad(アイパッド)専用の作業手順作成・閲覧ソフト。

 同社の金子訓隆取締役(50)は「知的障害や発達障害のある人は、言語より視覚情報の方が受け取りやすい。そこで、作業マニュアルを言葉と絵でデジタル化、動画化した。端末一つで自分で作業の確認ができ、業務意欲の向上にもつながる」と開発のねらいを話す。

 データ化で効率向上

 NTTドコモの特例子会社「ドコモ・プラスハーティ」大阪南港センター(大阪市住之江区)は、テーブルの天板を拭くダスターの動かし方や、ダスターの汚れに応じた赤・青・黄色の色分けバケツの使い方などの作業マニュアルをデータ化した同社用の衛生管理(清掃)ソフトを使い、作業効率のアップについて検証を行っている。

 同社業務運営部の岡本孝伸担当部長(46)は「ぶ厚い紙のマニュアルを持ち歩くのは、仕事を教える側にも不便。端末で手軽に作業が確認できれば、就労現場での障害のある人の混乱や迷いを軽減できる」と期待を寄せる。

 誤差数センチで検出も

 一方、視覚障害者の自立歩行・通勤支援機器として注目されているのが、衛星利用測位システム(GPS)を利用して視覚障害の人の通勤を助ける個人用の「My地図端末機器」の開発。

 日本の衛星測位システム準天頂衛星「みちびき」と、米国のGPSを組み込んだ高精度位置情報検出機器を用い、使用者専用の個人地図データベースを作成し、スマートフォンに登録。歩行誘導は、骨伝導ヘッドホンによる音声案内が行い、登録ルートから外れたときは振動や音声警告で知らせる。

写真ギャラリー

  • 色分けバケツで、作業にあった手順を選択する =大阪市住之江区
  • シーズ・ニーズマッチング交流会=大阪市中央区