産経ニュース for mobile

【次世代加速器ILC】北上山地の次世代加速器、規模縮小で建設費4割減

記事詳細

北上山地の次世代加速器、規模縮小で建設費4割減

次世代加速器ILC更新
国際リニアコライダーの仕組み 1/1枚

 宇宙の成り立ちを解明するため、岩手・宮城両県にまたがる北上山地に建設が構想されている次世代加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の全長が、当初計画の30キロから20キロに縮小されることになった。建設費を約4割削減し早期に実現させるためで、素粒子物理学の国際機関がカナダで日本時間8日に開く会議で新計画を決定する。

<< 下に続く >>

 ILCは平成25年、日本の研究者チームが北上山地に建設する構想を発表。日米欧の費用負担で33年の着工を目指してきたが、約8300億円に及ぶ巨額の建設費が課題になっていた。

 チームは負担比率をめぐり米欧との交渉が難航すると判断し、計画を着実に進めるため費用を削減する縮小案を作成。各国の研究者の合意を得て、国際機関の新計画として発表される。

 新計画は32年までに米欧と建設費の負担比率で合意し、着工時期は33年を維持する。予定した実験の一部はできなくなるが、将来的には当初計画の規模に拡大する可能性も残す。

 ILCは地下の直線型加速器で電子と陽電子をほぼ光速で衝突させ、宇宙誕生時に匹敵する超高温を再現。物質に質量を与えるヒッグス粒子などを作って性質を調べ、物理学の基本法則を超える新理論を探る。

 ただ、規模縮小で衝突エネルギーが半減するため、宇宙の謎の解明で鍵を握る暗黒物質を発見できる可能性は大幅に低下。着工からの20年間で2兆8千億円との試算もあった国内の経済効果も大きく減りそうだ。