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がん宣告…家族は、仕事は…子供を持つ患者の交流サイト立ち上げ

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がん宣告…家族は、仕事は…子供を持つ患者の交流サイト立ち上げ

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 西口さんは現在、週1日のペースで通院し抗がん剤治療を受けている。仕事は会社と相談して週2、3日の勤務に減らし、残りをキャンサーペアレンツの活動や家族との時間に充てる。医師からは「他の臓器に転移していくと急に体力が落ちて亡くなる。5年とか10年、元気でいることは奇跡に近い」と言われている。

 明子さんは西口さんの体を気遣い、野菜中心の食事を作るように心掛けてくれる。病気のことも、キャンサーペアレンツの取り組みにも、あれこれ口出しはせず、西口さんの考えを尊重し、支えてくれている。

 仕事から早く帰宅できた日や休日は、倖さんとショッピングセンターや公園へ出かける。自宅では西口さんと倖さんがふざけ合い、その様子を明子さんが見守る。「何をするかというよりも、一緒に過ごす時間が大事」。そう考えている。

 倖さんにはまだ、がんのことを伝えられずにいる。「お父さんがいなくなったらどうする?」。2人で風呂に入ったとき、何げなく問いかけたことがある。すると倖さんは「地図を描いておくよ。駅から家までの地図」と無邪気に答えた。

 キャンサーペアレンツでも子供との接し方についての発信が多い。倖さんへの伝え方は、まだ模索中だ。

  

 厚生労働省が平成26年にまとめた推計によると、22年時点で働きながらがん治療をしていた人は約32万5千人。生存率の向上で社会で活躍するがん患者が増える中、内閣府が26年に行った「がん対策に関する世論調査」では、がんで通院しながら働き続けられる環境だと思うかという設問に対し、「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」との回答が65.7%に上っている。

 こうした状況を受け、厚労省は今年2月、両立を支援する企業向けガイドライン(指針)を公表した。指針では、仕事を優先して適切な治療を受けられなかったり、職場の理解や支援体制が不十分なことにより退職するケースがあると指摘。患者の情報を企業と主治医が共有した上で、勤務を継続できるかを判断し、働き続ける場合は休暇や勤務時間などに配慮するよう求めている。(小林佳恵)

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