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【生前退位 私はこう思う】法律で縛らず、国民の皇室への愛と良識に任せるのがいい 俳優・津川雅彦氏

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法律で縛らず、国民の皇室への愛と良識に任せるのがいい 俳優・津川雅彦氏

生前退位 私はこう思う更新

 僕が初めて皇居で天皇陛下にお目にかかったのは、紫綬褒章を賜った平成18年のこと。その後も、26年に旭日小綬章を受章した際や、昨年の園遊会などでお姿を拝見してきた。陛下はいつの時もお元気で、疲れている姿を一切、見せられることはなかった。

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 常に朗らかで、かつ強い心を持たれている陛下。公務を完璧にこなす姿は尊敬に値し、私たちのシンボルにふさわしい覚悟を持たれていると思う。

 客観的に考えれば、がんや心臓病を患われたご経験のある82歳である。僕だったら仕事は勘弁してくれ、お休みの日ならずっと寝て過ごしたいというのが本音だ。それを陛下は、今も海外の戦跡に赴き慰霊の旅を続けられている。そのご発想は並大抵のものではない。

 そんな陛下が、生前退位のご意向を持たれているという。そこに国民の側に賛否などあるはずがない。

 世間では有識者会議の設置などという話が出ているが、有識者の意見を聞いてもあれやこれやで、なかなかまとまることはないだろう。今回は、「天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する」という皇室典範の第4条が問題になっているわけだから、安倍晋三首相を議長とし、皇族の方々や衆参両院の議長・副議長らが参加する皇室会議で意見をまとめ、早急に4条だけでも変えるべきだ。

 あれもこれも、と言っていたら時間がかかる。決めきれない部分については、過去の慣例に従うという方法もある。何より一刻も早く陛下のご意向をくむことが、われわれの陛下に対する愛の示し方だと思う。

 仮に生前退位が認められると、周囲から意に沿わない形で退位を迫られる、などの危険性を指摘する声もある。確かに後世そういうことがあるかもしれないが、むしろこういう事柄は締め付ければ締め付けるほど、余計なことが起こってくるものだ。天皇の政治利用は許されないはずなのに、かつての民主党政権は陛下を政治利用する形で、中国の習近平国家副主席(当時)との面会を強いたではないか。

 私は、何でも法律や規則で縛らず、国民の皇室への愛と良識に任せるのがいいと考える。それが国家として格の高いやり方だし、陛下が望まれないことを強いるような連中は許さない、という国民の意思が何より大切なのだと思う。