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パチンコしたら生活保護を一部支給停止-大分県別府市・中津市が撤回 国、県の是正要求を受けての対応だが…

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パチンコしたら生活保護を一部支給停止-大分県別府市・中津市が撤回 国、県の是正要求を受けての対応だが…

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 生活保護受給者がパチンコなどをした場合、給付の一部を停止してきた大分県別府、中津の両市が、国と県から「不適切」とする指摘を受け、来年度から停止措置を行わない方針であることが16日、分かった。受給者がパチンコなどをすることを直接禁止する規定はなく、厚生労働省は「法的根拠がない」としている。ただ、納税者からは「受給者が浪費するのは疑問」という声も上がっており、今後、波紋が広がりそうだ。

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 別府市は25年以上前から生活保護費がパチンコなどに使われることを問題視し、市職員が年1回、市内のパチンコ店と市営競輪場を巡回し、受給者を発見した場合は文書で立ち入らないよう指導。従わない場合には生活保護法を根拠として、支給(医療扶助を除く)を停止してきた。近年では平成26年度に6人、今年度は9人が1~2カ月間停止されている。

 同市は、受給者に支給を開始する際、パチンコ店などに立ち入らないとする誓約書の提出を求めている。生活保護法は、受給者が支出の節約などの義務に違反したときは支給を停止できると定めており、同市は「誓約書の順守は義務であり、違反と判断した」と説明している。

 これに対し厚労省は「生活保護法にはパチンコなどへの支出を明確に禁じる文言がなく、支給停止は不適切」との見解を示し、県に伝達。県は今年1月から2月、措置が適切かどうかを調べる監査を実施した上で、市側に対応の是正を求めた。

 これを受け同市は、支給停止の措置を取りやめる。保護費を減額していた中津市も同様の方針。両市は今後も巡回を続け、受給者を発見した場合は、控えるよう指導するという。

 別府市の長野恭紘(やすひろ)市長は「生活保護費をパチンコなどに使うことは不適切だという認識に変化はない。しかし、国と県から『おかしい』と言われれば、耳を貸さないわけにはいかない」と説明している。

 九州では他にも遊技場の巡回を行っている自治体があり、一部の受給者の生活態度が問題化していた。

 26年度の生活保護費は、前年度比約1千億円増の約3兆8千億円で、19年度以降、年々増加している。別府市の生活保護状況(25年度)は、市民1千人当たり約32人。県平均(約17人)の2倍近くと突出している。(玉崎栄次)